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2024年9月9日月曜日

17世紀のマダガスカルで発見された謎の生物 ~ サングリエ・マラン


■17世紀のマダガスカルで発見された謎の生物 ~ サングリエ・マラン

サングリエ・マラン (Sanglier marin)。

17世紀に目撃されたマダガスカルのUMAです。

フランス語で「海のイノシシ」を意味し、英語圏ではシー・ボア (sea boar) と訳されます。

これは当時、フランスの植民地であったマダガスカルの統治者エチエンヌ・ド・フラクール (Etienne de Flacourt) 氏により目撃・記載されたためです。

フラクール氏はマダガスカルの植民地統治者であり博物学者という別の顔を持っていました。

「海のイノシシ」という名に反し、むしろこの生物の姿を簡単に表現するとアザラシとイルカのハイブリッド生物です。

フラクール氏が海のイノシシと名付けたのはこの生物がとても毛深かったことによります。

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「サングリエ・マラン (海のイノシシ) という生物が存在します。

わたしたちの砦の近くに打ち上げられているのを発見したもので、大きさはウシと同じぐらい、鱗 (うろこ) はなく、その代わりにイノシシであったりアザラシのような毛皮で覆われていました。

頭部に穴が開いており、背中にはヒレが、脚はアザラシやワニ (クロコダイル) に似ており、小さな目、口の両側には50本ほどの歯がありました。。

人間の指に似た爪をもち、毛深い尾は先細りでした。

その生物はすでに死んでおり、かなり腐敗が進んでいたのでわたしは皮を剥ぐのを断念しました。

おそらく嵐を避けようとしている最中にトラニャロ ((仏) フォール・ドーファン) 近くの岩場で座礁したのでしょう」

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「頭部の穴」はおそらくクジラ類 (イルカ含む) の噴気孔 (鼻の穴) に違いありません、また背ビレがあり歯も確認されていることからハクジラ類のような気がします。

しかしフラクールが「サングリエ・マラン」と呼んだ所以はイノシシやアザラシに似た毛深さが一番印象的だったからでしょう。

さらに「アザラシやワニ」に似た指があったと証言しています。

ハクジラ類には毛皮も指もありません、しかしアザラシ等の鰭脚類 (ききゃくるい) には噴気孔も背ビレもありません。

まさにフラクール氏が言うようにアザラシとイルカのハイブリッド生物です。

これはもしかするとイルカのように収斂進化 (しゅうれんしんか) した未発見の鰭脚類だったのか?

UMAファン的にはその可能性を大いに期待したいところですね。

フラクール氏の著書は幻獣めいたものが記載されておらず、マダガスカルに実在する動物相に忠実に基づいているのも心強い点です。

17世紀当時には実在していたものの、その後残念ながら滅んでしまった、もしくは今でも細々とどこかで生きている、、、

ここで水を差すようで申し訳ないですが、サングリエ・マランの正体として、やはりその頭部に噴気孔らしきものが確認されている以上、ハクジラ類を検討しないわけにはいきません。

ハクジラ類に見えなかった大きな原因は二つ、その生物が毛皮を纏っていたこと、そして指があったこと。

これらは説明可能か?

フラクール氏の描写からこの生物の腐敗がかなり進行していたことが分かります。

これはUMA用語でいう、いわゆる「グロブスター (謎の肉塊、多くはクジラや大型のサメの死骸が正体) になりかけ」と言い換えることもできます。

クジラ類の死骸は皮膚が腐敗し内部の脂肪がむき出しになると繊維状に毛羽立ち、毛皮のように見えることが知られています。

(バンドウイルカ (Tursiops truncatus) の全身骨格)
(image credit by Wikicommons)

さらにもうひとつの欠点 (?) である「指」が確認されていることについても、クジラ類の胸鰭と化した前肢にははっきりと指の骨格が残っており、完全に白骨化していなかったことから骨を肉が覆っており、指に見えたかもしれません。

というわけで、サングリエ・マランの正体は腐敗が進行した既知のハクジラ類 (種類はもちろん分かりません) の可能性はやはり高そうな気がします。









2 件のコメント:

  1. 僕はこのサイトの大ファンで毎日このサイトを見ています。とても面白いのでこれからもどうぞよろしくお願いします🙇

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    1. とても嬉しいコメント、とうもありがとうございます!
      いつもまとめて記事を書く癖があって、その時期に全部まとめてアップしてしまって忙しくなると間が空いてしまう、という悪い癖があるので、予約投稿で1日1記事のアップになってます。
      ちょっと記事数が物足りないかもしれませんがそこら辺の事情ご承知の上、これからもよろしくお願いいたします!

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