イギリス、ウェールズ北西部のグウィネズ郡にある海岸沿いの町、バーマス (Barmouth)。
今回紹介するバーマス・モンスター (Barmouth Monster) はこのバーマスのあるウェールズ本土とアングルシー島を隔てるメナイ海峡一帯で目撃されるUMAです。
はじめてバーマス・モンスターが目撃されたのは1805年と今から200年以上も遡ります。
それ以後、20世紀、21世紀と目撃情報は続きますが、メナイ海峡だけでなく、バーマスの海岸沿いや河川で目撃されたものもすべてバーマス・モンスターと呼ばれているため、目撃情報によりその姿は大きく異なります。
典型的な巨大海蛇、いわゆるシーサーペントタイプのものから巨大なワニや首の長い海生爬虫類、陸生の巨大四肢動物までおり、同一生物の目撃とは到底思えません。
なにせ海峡ですから海と繋がっており、沖合に生息する海洋生物が海峡に入り込んだものを目撃したかもしれませんし、陸生の生物がたまたま海や川に入り目撃されたものも含まれているかもしれません。
とにかく、海生、淡水生、陸生とあらゆる生物の可能性が考えられます。
ちなみにワニタイプのUMAは同じくウェールズ最大の淡水湖、バラ湖 (Bala Lake) で目撃されるテジー (Teggie) がいます。
バラ湖なのに名前がテジー?湖の名前とUMAの名前が一見乖離しているように感じますが、バラ湖はウェールズ語でリン・テジド (Llyn Tegid) と呼ばれるため、テジーは本来の湖の名前であるウェールズ語に由来しています。
(シーサーペントの正体のひとつとしてウミヘビが掲載されています)
一番最近のものでは2016年にアーロン川 (River Aeron) の河口付近で撮影されたもので、首がやや長く海生哺乳類のようなシルエットをしています。(冒頭の画像)
しかし、やはりなんといっても一番興味深いのはオリジナル?の、1805年10に目撃されたバーマス・モンスターでしょう。
メナイ海峡内を運航していた船が巨大なシーサーペントに襲われたもので、あろうことかシーサーペントは船に乗り込みマストに巻きついたと記録されています。
乗組員たちはマストにしがみついたシーサーペントを攻撃しなんとか船から追い払ったものの、それから2日ほどはそのシーサーペントにつけられたといいます。
シーサーペントは当然ながら水生生物であるため、水面から見えているのは体の一部であり、通常の目撃情報では体の全容を把握することは難しい場合が多いです。
目撃スケッチから、その正体はリュウグウノツカイ (Regalecus russelli) であったり巨大ウナギや巨大アナゴの可能性が高いといえますが、もしかするとマヨイアイオイクラゲ (Praya dubia) のようなクダクラゲも含まれているかもしれません。
しかし、今回のは例外中の例外、船に乗り込んできたというのです。
大型船であったことから、ちょっとやそっとのジャンプ力ではとうてい甲板に到達できません。
船の表面を這いあがるのはさらに困難に感じますが、いずれにせよ、船内に入り込むやマストに巻きついたというのですからシーサーペントの全貌は確認できたはずですし、その行動からもリュウグウノツカイやウナギ・アナゴにできる芸当ではありません。
少し前に紹介した、サタノ岬のシーサーペントを彷彿とさせます。
これがもし事実だとするならその正体として既知の海洋生物はまったく当てはまるものが存在しません。
(巨大なアミメニシキヘビがマストにこんな風に巻き付いた?)
最大10メートル近くに成長するアミメニシキヘビ (Python reticulatus) やオオアンコンダ (Eunectes murinus) のような大蛇が船に乗り込んでいたぐらいしか考えられませんが、その後、海に追い払ったあとも2日以上にわたり執拗に海水を泳ぎ追いかけるなど不可能であり、未知の生物、シーサーペントと考えるしかないでしょう。
(参照サイト)
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