パステルブルーの足 (水かき) がこの上なくかわいいアオアシカツオドリ (Sula nebouxii)、おそらく英名を直訳したものなのでしょう、英名も全く同じ意味のブルー・フッティド・ブービー (blue-footed booby) といいます。
ブービー (booby) には「バカ」とか「マヌケ」といった意味がありますが、これはアホウドリがそう呼ばれるのと同様に人間に対する警戒心のなさ (人間に捕まりそうになっても逃げない) に由来するといったものや、ヨチヨチ歩きが滑稽 (こっけい) に見えることに由来するといわれています。
さてこのアオアシカツオドリ、北米のカリフォルニアからペルーの沿岸部、そしてガラパゴス諸島に生息するカツオドリの仲間で、体長は80~90センチ、翼開長は1.5メートル強、メスのほうが若干大きいといわれています。
(アオアシカツオドリ)
(image credit by Wikicommons)
このトレードマークともいえる足の色、実はアオアシカツオドリにとってかなり重要な役割を果たしており、足の色が鮮やかなブルーである男子ほどモテることが分かっています。
というのもこのパステルブルー、この色はエサである魚に含まれるカロテノイド色素に由来し、新鮮な魚をたくさん食べている個体ほど色が鮮やかに染まります。
また、加齢と共にこの色はくすんでくることも分かっています。
つまり鮮やかなパステルブルーの長靴男子は、若く健康状態がいい証 (あかし) であり、生殖能力が高いことを暗に示しているわけです。
つがいとなった後もメスは常にパートナーの足の色を気にしていることが分かっています。
健康な卵を産んだカップルのオスの足に人為的に色を塗って足の色をくすませると、パートナーの健康状態悪化、生殖能力低下とメスはみなすからです。
その結果、次の卵を産む際、パートナーが健康なときよりも産卵時期を遅らせ、またより小さな卵を産むという研究結果が出ています。
産卵時期の遅延は健康状態の回復待ち、卵の小型化は死んでしまう可能性の高い子への投資削減といったところでしょうか。
アオアシカツオドリのオスは自分の遺伝子を後世に残すために、いつもおしゃれに気を遣いパステルブルーに足を染めておく必要があります。
なお、アオアシカツオドリが魚なの中でも主食としているイワシの減少により、その個体数を急激に減らしているという気がかりなデータがあります。
(参照サイト)
SpringerLink
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