■角を持つ謎の巨大生物の死骸 ~ ビジャリコスの怪物
2013年、スペイン、クエバス・デル・アルマンソラ (Cuevas del Almanzora)のビジャリコス (Villaricos) 地区の海岸に謎の巨大生物の死骸が漂着しました。
発見者によれば凄まじい腐臭を放っていたその怪物の体長は13フィート (約4メートル)、かなり腐敗が進んでいるため頭部などの細かい部分ははっきりと確認できません。
非常に細長いシルエットをしており角状の突起が2本あることから「ホーンド・シー・モンスター (Horned sea monster「角を持つ海の怪物」)」と呼ばれます。
またこのような長い角を持つ海生生物が存在しないことからなんらかのミュータント (突然変異体) ではないかとも疑われました。
クエバス・デル・アルマンソラの国民保護調整官であるマリア・サンチェス (María Sánchez) さん曰く、
「ヘビのような体型をしています。
アフリカの方から海流に乗って流されてきたと考えられており、ワニトカゲギス (の仲間) に似ていると思います」
(ナンヨウミツマタヤリウオ)
絶対違うだろ、と全員の突っ込みが聞こえてきます。
深海生物の中でも特異なルックスで人気のあるワニトカゲギスの仲間、細長いぐらいしか共通点がなく、ワニトカゲギス目の大型種ミツマタヤリウオ (Idiacanthus antrostomus) でも50センチ程度しかありません。
もうちょっとちゃんとした専門家の意見はないのか?
大丈夫です、重鎮登場。
カリフォルニア大学サンタクルーズ校の海洋科学研究所の所長であるゲイリー・グリッグス (Gary Griggs) 氏は語ります。
「魚類学者としてわたしの膨大な経験に基づいて言わせてもらうならば、これはフリソデウオかリュウグウノツカイです。
長大に成長したこれらの仲間はかつてシーサーペントと誤認されていたほどです」
かなりの自信です。
部位などについてのなんら説明なく経験則だけで言い切るあたり、さすが大物としての風格があります。
しかしあの「角」と呼ばれている軟骨っぽい突起を含め、特定した理由を一切説明していないため説得力に欠けます。
プロマー (PROMAR) の広報に問い合わせたところ
「骨格からなんらかの情報を得ることができるかもしれませんが、正確を期するなら遺伝子分析の必要があります。
しかしそれには非常にコストが掛かります、誰がそのお金を払うというんですか!?」
虫の居所が悪かったのでしょうか、なんの生物か答えてくれないばかりか切れ気味です。
(オナガザメ (マオナガ))
そんな中、海洋生物保護プログラムのコーディネーター、フランシスコ・トレダーノ (Francisco Toledano) 氏、そしてマイアミ大学のサメの専門家デビッド・シフマン (David Shiffman) 博士はオナガザメ (Alopias) の可能性が高いのではないか?と立て続けにコメントします。
そして最後は上記二人のオナガザメ説に同意したフロリダ州立大学の魚類学者ディーン・グラッブス (Dean Grubbs) 博士に締めてもらいましょう。
「サメの骨格で間違いありません。
背中の骨格構成で少しばかり混乱しました。
しかしそれは尾ビレ下部の支持骨と分かりました。
『角』に見える部位は胸ビレをサポートする肩甲上腕骨です」
(参照サイト)
HUFFPOST
The Christian Science Monitor
NBC News
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