■食用毛虫 ~ シアワーム
以前に昆虫食最凶レベルのモパネワームを紹介しましたが、日本でモパネワームを手に入れるのは無理ではないですがちょっと面倒くさそうです。
(モパネワームについてはこちらの記事をどうぞ)
そのうち機会があったら買おっかな、と思ってましたが、モパネワームと似たようなシアワームというイモムシというか毛虫というか、これはふつうに日本で売ってたので買ってみました。
まるでサプリのようなパッケージ、まさかこの中に毛虫が入っているとは思えません。
個人的には、昆虫食っぽくこれに毛虫の写真かイラストが描いてあったらベストなんですけどね。
50グラム980円 (送料別)、日本で昆虫食はゲテ食といいつつ超が付く高級食材 (10~15グラム1000~2000円当たり前) なので、この価格はかなり安いほうですね。
ドライタイプなので水で戻す必要があり、だいたい乾物って水で戻すと4倍ぐらいになるので200グラムぐらいですかね。
ただし、他のパッケージングされた昆虫食と異なり、こちらは調理が必要なのでご注意を。
取りあえず、食べる前にシアワームを勉強しておきましょう (という言い訳をいって今回も食べるのを先延ばしに)。
さてシアワーム、この名前はこの幼虫を輸入・販売している会社 「昆虫食のentomo (エントモ)」さんが命名したものだそうです。
モパネワームと似ており、かつモパネワームの名はモパネの葉を食べることに由来していることから、シアバターノキの葉を食べる本種をシアワームと名付けたということです。
シアワームは中央アフリカに生息するヤママユガの一種、キリナ・ブティロスペルミ (Cirina butyrospermi) の幼虫で、シアバターノキの葉を食べることから英語圏では一般的にシアワームではなく、シアキャタピラー (shea caterpillar「シアの毛虫」の意) と呼ばれています。
日本では「キャタピラー = 毛虫 (イモムシ)」という認識が低いのでシアワームのほうが通りはいいかもしれません。
ちなみにモパネワームもヤママユガの一種、ゴニムブラシア・ベリナ (Gonimbrasia belina) の幼虫です。
(image credit by Wikipedia)
さてシアワームですが、シアバターノキ専門で、この木の葉以外食べないことで知られています。
そういうわけでシアバターノキが自生している地域にしか生息しません。
現時点ではモパネワームほど知名度はありませんが、ブルキナファソの起業家カイトウオ・イエン (Kahitouo Hien) 氏によりシアワームの生産は工業化され、ブルキナファソでは誰もが知る食材となりました。
今でこそブルキナファソでは人気の食材ですが、最初はまったく売れずひどかったと回顧しています。
(image credit by YouTube "Agribusiness TV")
生のシアワームを袋詰めにし、1袋500グラム3000CFAフラン (約550円) はブルキナファソの物価では高すぎたようで、まったく見向きも去れなかったといいます。
いきなり躓き (つまづ) き在庫の山を抱える大ピンチを迎えました、が、その在庫の山のシアワームがどんどん干からびてカリカリになっていく姿を目にし、ドライタイプで販売する方法を思いついたということです。
まさにピンチをチャンスに変えた運命の瞬間です。
ドライタイプは日持ちする (賞味期限18ヶ月) ことから1袋70グラムで650CFAフラン (約120円) と大きく値下げをすることができました。
これが大当たりし、年間3万パックを販売、今後は年間10万パック以上の販売が期待できるそうです。
ちなみにまだ食べていませんが、イカや肉のような食感、シアバターノキの葉のみを食べているため味も葉のようであり大変美味だそうです。
乾燥させたものは魚の干物に似た味わいになるとか。
(参照サイト)
The Guardian
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