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2025年11月2日日曜日

兵士を襲った巨大ガエル ~ ドッグ・ファング・フロッグ


■兵士を襲った巨大ガエル ~ ドッグ・ファング・フロッグ

今回はドッグ・ファング・フロッグ (Dog-fanged frog)。

今日はカエルのUMAです。

意外なことにカエル系のUMAは多いですね、UMAファンならご存じだとは思いますけど。

全く荒唐無稽なものから、カエルとして常識の範囲内にとどまり、十分存在してもおかしくないものまでいろいろいます。

ドッグ・ファング・フロッグは具体的な大きさは分からず、とにかく大きいということなので、現生の巨大種ぐらいと想定しておきましょう。

そしてこのカエルの特徴はドッグ・ファング、つまり犬のような牙、「犬歯」を持つことです。

巨躯 (きょく) の上に犬歯を持つカエル、それがドッグ・ファング・フロッグです。

このカエルは1945年、コンゴ民主共和国のニアンガラのタピリでただの一度だけ目撃されました。

報告したのはベルギー領コンゴの行政官、C.ケイスリール氏です。

彼によれば犬歯を持つ巨大なカエルに兵士が襲われたため兵士はカエルを撲殺し、その証拠としてカエルの死骸を持ち帰りケイスリール氏に報告しました。

カエルの背部は灰緑色で腹部にはオレンジ色の不規則な斑紋があり、とにかく太って大きなカエルでした。

兵士はこのカエルに咬まれ牙による2つの刺されたような傷があり、実際、持ち帰ったカエルの顎の上下にはその傷に一致する犬のような大きな牙、そして爬虫類のような二又の舌がありました。

さて、ではまずは現生種の大型のカエルを見ていきましょう。

(ゴライアスガエル)
(image credit by The Zoological World)

アフリカの巨大ガエルといえば世界最大の体長を誇るゴライアスガエル (Conraua goliath)、、、ですが彼らの生息域は非常に狭く、カメルーンや赤道ギニア等、西アフリカのほんの一部の地域にしか生息していません。

生息域の観点から、おそらく大きさはいいとしてゴライアスガエルの誤認である可能性は低そうです。

もうひとつの候補はアフリカで二番目に巨大なアフリカウシガエル (Pyxicephalus adsperus) です。

こちらも分布域にドッグ・ファング・フロッグの目撃されたコンゴ共和国は含まれていませんが広くアフリカ南部に棲息しており、中央アフリカで目撃されてもそこまで突飛ということはないです。

通常では体長が大きくて20センチ、公式のマックスサイズで24.5センチ1.6キロ、UMAとしてはモンスター級というにはやや物足りない感は否めません。

但し、目撃された地域が本来の生息域でない場合、周りに天敵がおらず、かつ食物が潤沢だと規格外に大きくなる場合があります。

(トージラ)

実際、オーストラリアで偶然捕獲されたオオヒキガエル (Rhinella marina)、愛称トージラ (愛称をつけてもらったものの外来種として速攻駆除) の体重は2.7キロは、アフリカウシガエルのマックスサイズを軽く凌駕するものでしたからね。

さてゴライアスガエルにしろアフリカウシガエルにしろ、大きさについてはそれほど気にすることはありません。

都合がいいことに具体的な大きさは触れられていないからです。

問題はこのカエルの最大の特徴である「犬歯」です。

多くのカエルの上顎には歯がありますが、さすがにゴライアスガエルもアフリカウシガエルも犬歯といえるほど大きな牙は持っていません。

但し、前述の通り、生息域以外で巨大化する例もあり、アフリカウシガエルのとてつもない巨大個体、かつ歯も体に合わせ巨大化したと考えれば可能性は低いもののあり得そうな話ではあります。

ついでにオドントバトラクス・ナタトル (Odontobatrachus natator) も紹介しておきましょう。

彼らの下顎には相対的に大きな牙を持ち、実際、サーベルタイガーガエル (saber-toothed frog) の異名を持ちます。

まぁ上顎の歯は相対的に大きくなく、また体長も5~6センチで「巨大」というには程遠いですが、未知のオドントバトラクスの巨大種、というのも一応候補に挙げておきましょうか。

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