■フィリピンの河川で魚竜を目撃 ~ チガプラン川の怪物
今回はチガプラン川の怪物。
このUMAは、個人的には「謎の動物の百科」(今泉忠明著) でしか確認できていないUMAです。
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「フィリピンはチガプラン川の魚竜型怪物」
1978年1月14日、数人の地元民が全長20m、巨大な頭と鱗に覆われた尾をもつ怪物が、激流を海の方へ泳いで行くのを見た。
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これでおしまいですね。
今泉さんは動物学者であるため、「謎の動物の百科」に登場するUMAは日本のUMA本を軽く参照しているだけと思われるものが多く、出典はおそらく別に存在すると思われます。
で、UMAでも魚竜系は意外と少ないので、なかなか珍しいUMAで興味深いものなんですが、、、冒頭に述べた通り日本限定で知られるUMAです。
このUMAの厳しい点は、いかにも東南アジアにあるっぽい名前の「チガプラン川」がそもそも実在するのか分からない点です。
世界最大の淡水エイ、プラークラベーン / ヒマンチュラ・チャオプラヤの主要生息地のひとつ、チャオ・プラヤー川 (Chao Phraya) のように、名前がチガ・プラン川と分離している可能性もあります。
フィリピンだけでなく東南アジアや南アジアにかけて捜索範囲を広げ検索してみましたが、チガプラン川、もしくはチガ・プラン川 (Chiga-Phrang, Chiga-Pulunge etc.)、とカタカナ表記されそうな河川は残念ながら発見できませんでしたね。
体長20メートルの生物が目撃されたわけですから、ネット上に出ないようなちっちゃい川であるはずもなく、目撃されたのは大河だと思うんで、存在するなら見つかるはずなんですけどね~。
この謎のチガ・プラン川は、チャオ・プラヤー川 (タイの河川) とむしろカタカナ表記で一番近いかもしれません。
さて、長々と川を特定しようと書いたものの結局見つからないので、そういった川が存在すると仮定し、UMAの話を進めましょう。
冒頭に書いた通り、まずは魚竜タイプというのがUMAとしては珍しくていいですね。
魚竜で20メートルとバカげた大きさをしているように感じますが、これは魚竜の代表格、イクチオサウルス (Ichthyosaurus) が2~3メートル、大きくてもせいぜい3.5~4メートル程度というのがイメージ的にそう思わせているのでしょう。
(イクチオタイタン・セベルネンシス)
(image credit: Wikicommons)
実際はイクチオタイタン・セベルネンシス (Ichthyotitan severnensis) の26メートル、シャスタサウルス・シカニエンシス (Shastasaurus sikanniensis) の21メートル、ショニサウルス・ポピュラリス (Shonisaurus popularis) の15メートル等々、割と大丈夫です。
ロマンあふれる魚類生存説。
で、まぁ現実的な話として、大きさは別として、この目撃談が本当だとしたらその正体はハクジラ類の誤認が一番可能性的には高いでしょう。
吻の尖ったタイプのイルカと魚竜はとてもシルエットが似ていますからね。
ただ20メートルという大きさがイルカの誤認としてはあまりに大き過ぎるような気もします。
縦列で泳いでいた数匹のイルカの群れを遠目から誤認したかもしれません。
イクチオタイタンが生き残っている!と信じてももちろん構いません。
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