■マダガスカルにカバがいるかもしれない ~ キロピロピトソフィ
今回はマダガスカルのUMA、キロピロピトソフィ (Kilopilopitsofy)。
その目撃情報からカバの可能性を疑われているUMAです。
それはカバに似ているのではなくカバそのものなのでは?
マダガスカル島はアフリカ大陸南島に浮かび、カバが棲息していてもおかしくなさそうに思う人もいるかもしれません。
しかし、現生のカバ科の生物はアフリカ大陸にしか棲息しておらず、カバ (Hippopotamus amphibius) とコビトカバ (Choeropsis liberiensis) の2種のみです。
ちなみにこの2種、カバと名は付くものの体格差は凄まじく、最大4メートル2トンに達するカバに対し、コビトカバは大きくても2メートルを超えることはなく体重もカバの1/10程度しかありません。
マダガスカルは独特の動物相でアフリカ大陸とは全く異なり大型の哺乳類、ゾウもキリンもライオンもそして前述の通り、カバも棲息していません。
現代のマダガスカルにカバはいませんが、実はマダガスカルではカバの化石が多数発見されており、少なくとも1000年前までは棲息していたと考えられています。
もしかすると18世紀、19世紀頃まで棲息していたのではないか?なんて説もあるほどです。
それどころか本当につい最近の1980年代でも目撃情報があるのです。
目撃情報からあくまでカバによく似た生物と考えられるだけで、本当にカバなのかまでは分かっていません。
しかしこんな有力な情報があります。
マダガスカルで近年絶滅した動物たちを調査していた生物学者デビッド・A.バーニー (David A. Burney) 博士は地元住民と接触し綿密な調査を進めていたところ、マダガスカルで動物の鳴き声を忠実に真似をすることができる年配の男性に会うことができました。
バーニー博士は男性にそのカバに似ているという謎の動物の鳴き声を再現してもらうと、それはまさに現生のカバのそれに酷似していたといいます。
この男性はアフリカ大陸にも渡った経験もなければカバという動物が存在していることも知らない男性でした。
いろめきたつバーニー博士、目撃した地元住民たちに実際のカバの写真を見せたところ、全体として似ているが耳はもう少し大きな生き物だったと語ったといいます。
珍しくカバの話題になったのでちょっとカバの危険性に触れてみましょう。
よくカバはライオンよりもアフリカで最も危険な動物と聞きますが本当でしょうか?
マスコミのネタはガセが多いですからね。
人間を最も死に至らしめる動物ランキング (人間を除く) はぶっちぎりでマラリア原虫を媒介する「蚊」で年間75~100万人、2位は「毒ヘビ」の5~10万人、3位に「イヌ」の2~3万人 これは咬傷によるものも含まれますが、そのほとんどは狂犬病ウイルスの媒介によるものです。
以下は統計を取っている機関によって順位にややバラツキがありますが、トリパノソーマ (眠り病) を媒介するツェツェバエやサシガメ (吸血性のカメムシ)、寄生虫を媒介する淡水棲の巻貝、あとは寄生虫そのもので回虫やサナダムシ、と小さなものが多いことが分かります。
そんな中、毒やウイルスの媒介によるものではなく、純粋に直接的な攻撃で最も死者を出しているのが「ワニ」の1000人、次いで「カバ」の500人です。
カバが危険なのは本当のようです。
以下、「ゾウ」の250~500人、「ライオン」250人、「アフリカスイギュウ」200人、「シカ」100人といった感じです。
途上国でのデータを集めるのは困難と見られ、実数から大きく異なる可能性も否定はできませんが。
尚、B級映画やマスコミの大げさな報道で根絶までさせられそうな勢いのサメやクマは数える程度 (10人~) でランク外、完全な風評被害です。
但し、日本のような衛生面に優れた国でにクマやイノシシといった大型哺乳類は確かに危険生物のトップであることに変わりはありません。
さてキロピロピトソフィの話に戻りましょう。
実際にカバが恐ろし生物であることが分かりましたが、UMAであればどれほど恐ろしいのでしょう。
しかし目撃情報によればキロピロピトソフィは決して怪物然とした大きさではなく、むしろ現生のカバより小ぶりで、カバとコビトカバの中間ぐらい、既知動物に例えればウシぐらいということです。
まあウシほどもあるカバであれば十分殺傷能力があり危険です、しかしキロピロピトソフィ、人間を見るとすぐに川の中に逃げ込んでしまう憶病でかわいいUMAのようです。
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ワニとかは海を渡るという話を聞いたことがありますけど、大陸のカバがマダガスカルまで泳いでくるってのは可能なんですかね?できるなら、昔のカバよりありそうな気がしますが
返信削除コメントありがとうございます。
削除アフリカ大陸とマダガスカルは400キロぐらい離れているのでダイレクトだと難しそうです。が、かつてはその中間地点にいくつか島があったと考えられており、そういった島を経由しながら到着した可能性が高そうです。
現在だと経由する島がないので厳しいかな~?