2024年3月13日水曜日

子供たちの集団殺人鬼 ~ メロン・ヘッズ


■子供たちの集団殺人鬼 ~ メロン・ヘッズ

とある静まり返った深夜のこと。

ミシガン州アレガン郡、ソーガタックの森にキャンプに来ていた少年がテントの中で友人に話しかけます。

「この近くに『ジャンクション精神病院 (Junction Insane Asylum)』てのがあったの知ってるか?」

知らない、というと少年は続けます。

「この精神病院には水頭症の子供たちがたくさん集められ収容されていたらしいんだ、治療目的でね。

でもそこには頭のイカレた医者がいて、子供を使って実験していたんだ、自分の研究成果を試そうとしてたんだよ」

友人は黙って頷き続きを促します。

「でもうまくいかなかった。水頭症の子供たちは良くなるどころかどんどんひどくなっていった。

頭部がメロンのように膨れ上がって苦しんだんだ」

友人は息をのんで聞きました。「それで?」

「子供たちは来る日も来る日もそのイカレた医者の実験台に苦しみながら耐えていた。

それで子供たちは脱走計画を企て、そしてそれは成功したんだ。

彼らは脱走後、自分たちを苦しめた医者を集団で襲って殺し、この辺りの森の洞窟に逃げ込んだらしい。

この話はデタラメじゃない、この近くに住む友だちから聞いたから絶対にウソじゃない、そいつはウソをつくようなヤツじゃないから」

二人はテントの外で何か生き物の気配を感じました。

友人は少し小声になって言いました。

「やつらはこの辺りではメロン・ヘッズ (Melon heads) で呼ばれていて、今でもまだ生きてるらしい、襲われて殺された人もいるらしいんだ」

-----

レモン・ヘッズの存在は完全な都市伝説です。

ヒツジ男 (or ヤギ男) 等と同様、同じような噂はアメリカ各地に点在し、その容姿や特性は似ていても語られるバックグラウンドには多くのバリエーションが存在します。

病院であったり施設であったり、潜んでいるのが森であったり洞窟であったり、実験したのが医師であったりマッド・サイエンティストであったり、、、等々

一見すると荒唐無稽なストーリーであっても、実在する都市名や施設名が出てくると俄然と真実味が増し、特に深夜の静寂の中で怪談話として離したりすれば効果抜群。

そして話し手は絶対に自分が体験した話ではなく必ず「信頼できる友人」から聞いており、その信頼できる友人を訪ねるとその友人はやはり「信頼できる友人」から聞いています。

そしていくら「信頼できる友人」を辿っていっても「初めに話した信頼できる友人」は永遠に出てくることはありません。

それが都市伝説です。

(関連記事)



0 件のコメント:

コメントを投稿