2020年8月10日月曜日

巨大なフクロウは幸運も不幸ももたらす ~ チックチャーニー


■巨大なフクロウは幸運も不幸ももたらす ~ チックチャーニー

ルスカの記事を書いたのでバハマネタをもうひとつ。

バハマの島の一つ、アンドロス島 (Andros Island) にはフクロウに似た生物、チックチャーニー (Chickcharney) の伝承があります。

身長は3フィート (約90センチ) ほど、邪悪な赤い目をもつ醜い顔は360度回転させることが可能、2本の足に加え、翼の代わりに2本の「腕」をもち、先端には3本の鉤爪があるといいます。

飛ぶことは出来ず、二足歩行するといわれています。

森に生息しており、不意の遭遇にその外見からついついチックチャーニーに対し暴力的に接したり嘲笑しようものなら不幸が訪れるます。

逆にその外見に惑わされず優しく接することができればその人物には幸運が舞い降りると言い伝えられます。

また、外見こそフクロウに似ているものの、チックチャーニーは鳥ではなく実際はエルフ (Elf) 的な存在という味方もあります。

(悪魔ストラスにもフクロウの姿をしているものがいます)

こういった特性は野生動物というよりは民間伝承上の生物と捉えるのが一般的ですが、それにも関わらず古くから現代に至るまでチックチャーニーの目撃情報は絶えません。

存在するしないに関わらず、何らかの生物を目撃していることは確かです。

やはりそういった意味ではフクロウがその正体である可能性が高いと言えます。

フクロウといえど360度首を回すことは出来ませんが、それでも可動域は左右に270度、メンフクロウを筆頭に頭部は大きく人面的であり、チックチャーニーの特性と合致します。

ただしこんな大きなフクロウがいるでしょうか?

実は絶滅種ですがキューバの巨大フクロウ、オルニメガロニクス・オテロイ (Ornimegalonyx oteroi) は身長が1.1メートルもありました。

飛ぶのが苦手なフクロウでチックチャーニーそのものといった感があります。

アンドロス島とキューバは地理的に近いことも好都合です。

(メンフクロウ)
(image credit by Stevie B)

オルニメガロニクスよりもさらに有力視 (というほどでもありませんが、、、) されているのがメンフクロウの絶滅種、ティト・ポレンズ (Tyto pollens) です。

ティト・ポレンズは非常に大きなメンフクロウで、現世のメンフクロウ、ティト・アルバ (Tyto alba) の2倍ほど、身長は1メートルもありました。

メンフクロウの特徴である「人間的な顔」がヒューマノイドとしばしば誤認されることを考慮するとオルニメガロニクスよりも好都合であり、身長も1メートルとチックチャーニーの目撃証言と合致します。

主食はげっ歯類と考えられており、もしかすると体長が最大60センチに達する大型げっ歯類バハマフチア (Geocapromys ingrahami) も捕食していたのではないかといわれています。

(バハマフチア)
(image credit by Illustratedjc)

ちなみに近縁の一回り小柄なジャマイカフチア (Geocapromys brownii) は野生下のものは絶滅に瀕しており、ジャマイカフチアほどではないにしろバハマフチアもかなり生息数が減少しており絶滅が危惧されています。

さてチックチャーニーの正体がティト・ポレンズと考えられるのはその大きさに加え、バハマ諸島のいくつかの島で化石が発見されていることです。

しかし残念ながら、チックチャーニーの伝承のあるアンドロス島での発見はまだありません。

現実的に考えればその正体はメンフクロウの誤認であり、絶滅種を含めればティト・ポレンズやオルニメガロニクス・オテロイの生き残り、もしくはその亜種の子孫といったところでしょうか。

(参照サイト)
Amino
Lisa G. Buckley, Ph.D.

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2 件のコメント:

  1. あまり飛ばず、足の長いフクロウといえばアナホリフクロウがいますね。
    一応バハマのあたりにも生息しているようです。
    ただ、サイズはかなり小さいみたいです。

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  2. コメントありがとうございます。
    オルニメガロニクスは現代のフクロウの中ではアナホリフクロウと一番近縁ということなので生態的にも似ているのでしょうね。
    もうちょっと大きければバッチリなんですけどね。

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