■プレデタータイプのナマケモノが存在する ~ ソルチセ
今回はソルチセ/ソルチクセ (Xolchixe)、ブラジルのUMAです。
ソルチセは、同じくブラジルを代表するUMA、マピングアリ (Mapinguari) やキダ・ハララ (Kida Harara) と似ており、即ち絶滅した地上棲の巨大ナマケモノの特徴を有したUMAと考えられています。
キダ・ハララはマピングアリの別称に過ぎないとの説もありますが、ソルチセは確実ではありませんが別種と考えられています。
タイガー・スロス (Tiger sloth) やライオン・スロス (Lion sloth) の異名を持ち (「スロス / sloth」とは英語でナマケモノのこと)、これはソルチセが大型ネコ科動物と同等の体躯を誇ることがそう呼ばれる理由のひとつです。
赤い毛で覆われているといい「大型ネコ科サイズの赤毛のナマケモノ」というのが一応のプロフィールです。
ソルチセは地上棲ですが木にも登れるということで、マピングアリのような、つまり、メガテリウム (Megatherium) やミロドン (Mylodon) 程の巨体ではないということがこの呼び名からも示唆されます。
ただまぁ、南米に棲息する大型ネコ科動物といえばジャガー (Panthera onca) やピューマ (Puma concolor) ですが、そちらに例えられずトラやライオンに例えられるのはちょっと不思議な感じがするでしょう。
しかしそれもそのはず、タイガー・スロスやライオン・スロスと呼ばれる理由にはもう一つの意味があり、ソルチセは完全な捕食性動物であるからです。
つまりトラやライオンのように獲物を襲って食べるナマケモノなのです。
ジャガーやピューマも有能なプレデター (捕食者) ですが、世間一般のイメージではやはり大型ネコ科動物の王者といえるトラやライオンに例えたかったのでしょう。
先に挙げたメガテリウムやミロドンはある程度、屍肉も漁って食べていたという研究結果もありますが、有能なプレデターだったわけではなく、大きさ的にも性質的にもやはりマピングアリとは別種のUMAであることが分かります。
(エレモテリウム /Eremotherium eomigrans)
(image credit: Wikicommons)
ただそうはいっても動きがとんでもなく遅いので有名なナマケモノであり「捕食性のナマケモノ」といってもピンときません。
待ち伏せ型との説はありますが、それでも一瞬であれど俊敏性は必要とするはずであり、少なくとも知られているナマケモノとはずいぶんと姿が異なるに違いありません。
で、誤認候補は存在するかというとジャガーやピューマがナマケモノと誤認されるとはなかなか考えにくく、知られている地上棲の大型のナマケモノでも純肉食性のものなくお手上げです。(毛色の特殊な赤毛のジャガーやピューマという可能性はあるかも?)
つまりは「新種 (未知) の肉食性ナマケモノ」ということになるでしょう。
夢があるといえば夢があるのですが、気になるのはソルチセの存在は21世紀以降になって知られるようになったこと、どうもネットで拡散された可能性があること、そしてめぼしい目撃談や詳細情報が存在しないことです。
意図的なものか偶発的なものか分かりませんが、少々残念なことに現時点ではソルチセは創作された可能性が否定できないUMAといえます。
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