■異様に首の長いカメを目撃した ~ ポウハタン・プランテーション・タートル
今回はアメリカ、バージニア州ハンプトン・ローズのウィリアムズバーグで、なっがい首のカメを目撃したという話を紹介しましょう。
具体的にはウィリアムズバーグにあるポウハタン・プランテーション (植物園) 内の池です。
それでは見ていきましょう。
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ウィリアムズバーグにあるポウハタン・プランテーションのガゼボに立って、兄と共に池を見下ろしていたときのことです。
「ダニエル、見てみろよ!」
突然、兄が叫びました。
指さす方を見ると、青白い、というか、ほぼ白といっていいほどの何かの首が池の水面から突き出ていました。
1分ほどそのまま見ていましたが、やがてその生物は首を引っ込め沈んでしまいました。
数分するとまた兄が叫びました。
「まだいるぞ!」
先ほどと同じように何かの首が突き出ていました。
一体なんの首だろう、当然のようにこの生物がなんであるか興味を持ち始めました。
水面から突き出た部分しか見えず、分からなかったのですが、しばらくするとその生物は浅瀬に移動したため体を見ることができました。
それは予想もしていなかった生物でした。
30センチ程の青白い首をしたカメだったのです!
水中のためはっきりとは見えませんでしたが、甲羅は茶色で、やや縦長の楕円形、カミツキガメのようにゴツゴツした突起はなく、比較的滑らかな表面をしているように見えました。
このカメが特異に見えたのは、息継ぎのために首を伸ばしていたのではなく、伸ばさずともふだんから首の長さが30センチもあるのです。
長い首を持て余すようにカメはのんびりと池の底を歩いていました。
尾もとても長く15センチほどありました。
頭部をはっきりと確認したわけではありませんが、スッポンのような尖った吻部でなかったことは断言できます。
但し、首から吻にかけて先細りであったと兄は語っています。
まあ観察していたのは数分ですから情報はこれぐらいしかありません。
少なくともアメリカに生息するカメにこのようなものはいないようですが、もしかするとポウハタン・プランテーションが展示用に異国のカメを池に放流しているのかとも思いましたが、後日植物園に電話したところそのような事実はないといわれました。
自らこのカメの正体を探ったところ、オーストラリアにとても長い首を持つカメが棲息していることが分かりましたが、アメリカには生息していないようです。
国立野生動物保護区 (National Wildlife Refuge System) にも問い合わせてみましたが、スッポンではないかという返事でした。
甲羅や頭部 (吻部) の特徴からスッポンとは思えません。
みなさんも近々バージニア州南東部へ遊びに行く予定があったら、是非ポウハタン・プランテーションの池に注目してみてください。
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さていかがでしょう?
パラノーマルなことは一切語っておらず、話を盛っている感じもしません。
ダニエル氏のいう「オーストラリアに棲息する非常に長い首のカメ」とは、オーストラリアナガクビガメ (Chelodina longicollis) に違いありません。
(オーストラリアナガクビガメ)
(image credit: Wikicommons)
ナガクビガメ属 (Chelodina) はその名の通り、相対的に最も首の長いカメの仲間ですが、甲長は最大でも30センチ前後で首の長さは甲長の半分強、尾も長くなく、ダニエル氏の見積もった首や尾の長さに間違いが無ければ甲長は60センチ前後になるでしょうし、新種間違いなしです。
まあナガクビガメの仲間はオーストラリアやニューギニアに集中して棲息しており、そんなに大きくないとしてもアメリカに棲息しているだけで新種に間違いないですけどね。
ちなみに相対的な長さではナガクビガメにやや劣りますが、絶滅種のスチュペンデミス (Stupendemys) は甲長2.4メートル、首の長さは1メートル以上、尾を含めれば4メートルと推測されています。
(フロリダスッポン)
(image credit: Wikicommons)
さてポウハタン・プランテーション・タートルの正体はなんでしょう?
目撃者は否定していますが、あくまで既知種というのであれば、やはりスッポンの可能性が高そうな気がします。
見慣れないとスッポンの首は異様に長く見えますし、水を通してみていることから屈折により実際以上に見えたかもしれませんからね~
ちなみに北米最大のスッポンはフロリダスッポン (Apalone ferox) で、最大個体の甲長は63センチもありました。
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