■世界で最も有名な日本のUMA ~ ツチノコ
さて今回は日本を代表するUMA、ツチノコです。
ツチノコは古くから海外のUMA本にも掲載されており "Tsuchinoko" として海外のコアなUMAファンにかなり知名度があります。
間違ってはいませんが、海外では「Tsuchinoko」は直訳して「金槌の子供 (child of hammer)」という意味と紹介されており、たぶん海外の人にとって意味不明だと思います。
日本人であればUMAに全く興味がなくてもツチノコやカッパは桃太郎レベルに知名度があるでしょう。
(ツチノコのフィギュア / コレクト倶楽部 七不思議編)
UMAファンにしれ見れば耳タコ状態だと思いますので軽く紹介します。
ツチノコは姿がヘビ、もしくはトカゲに似たUMAで、体長は60~100センチ程度、長くはないですが体幅があり、寸胴なシルエットをしているのが特徴です。
普通のヘビと異なるのは首と胴体に顕著なくびれがあり、また極端に先細りで短いをを持つことです。
このようなシルエットをもつヘビもしくは四肢を持たないトカゲをツチノコといいますが、目撃情報も多くその習性も数多く報告されています。
一例をかき出しましょう。
・シャクトリムシのように体を縦にくねらせて移動する
・(ヘビのように体を左右にくねらせず) 体をまっすぐにしたまま前進する
・跳躍しながら前進する
・狭い場所を通るときは体を細くして通り抜けることができる
・傾斜を下る場合は尾を噛んで輪になって転がり落ちる
・高く跳躍する
・尾を起点にほぼ垂直に立ち上がることができる
・小さな鱗で覆われている
・大きな鱗で覆われている
・猛毒を持つ
・無毒である
・(ヘビにはまぶたがないが) まぶたがある
・酒を好む
・(ツチノコを食べた人の話によれば) 美味である
・人の言葉を話せる
UMAなので仕方がないのですが、はっきりと定義されていないため異なる生物の目撃情報が「ツチノコ」というひとつの生物に集約されているのが分かります。
(ツチノコのフィギュア / チョコエッグキッズ)
このすべての条件を満たしたものだけをツチノコとした場合、仮にツチノコらしき未知生物が捕まったとしても、「いびきをかかないからツチノコではない」「垂直に立てないからツチノコではない」といったような困った現象が出てきてしまいます。
個人的には体長1メートル前後、首のくびれ、寸胴な体、細長い尾、というシルエットを兼ね備え生物学的に新種であればツチノコとしていいでしょう。
しかしこれだけ目撃されているのに見つからないのはなぜか?
ひとつは既知種のヘビの誤認がツチノコを創造した可能性があります。
実際、多くの目撃情報だけではなく数多く捕獲されており、写真にも収められていますが、すべて既知種、特に妊娠中や遺伝的に形状が変異したヤマカガシもしくはニホンマムシであることが調査の結果分かっており、現時点では未知種のヘビであったことはありません。
あとは実際に捕まえたが食べてしまったので証拠がない、といった信憑性のない目撃情報も多く含まれています。
(ヒガシアオジタトカゲ)
(image credit by Wikicommons)
近年のツチノコの誤認の最右翼アオジタトカゲの仲間 (Blue-tongued skink / Tiliqua) です。
アオジタトカゲはオーストラリア、パプアニューギニア、インドネシアに棲息するトカゲの仲間四肢を持ちますが体に比して相対的に極端に短い (というより小さい) ため、長い草むらを移動するときは四肢が全く見えすツチノコのシルエットそのものです。
アオジタトカゲの最大種、インドネシアに生息するオオアオジタトカゲ (Tiliqua gigas) は60センチ以上にもなり、まさにツチノコです。
またアオジタトカゲの仲間で頭と尾の区別がつかないマツカサトカゲ (Tiliqua rugosa) もそのフォルムはかなりツチノコ然として有力候補のひとつです。
(マツカサトカゲ)
(image credit by Wikicommons)
いずれの種も毒もなければシャクトリムシのような動きもしませんが、ペットとして飼われていたものが脱走し目撃された場合、「ツチノコを見た!」と誤認しても決して不思議ではありません。
それぐらいツチノコに似ています。
ツチノコを未知種と考えるならトカゲかヘビかどちらかは判断が難しいところですが、アオジタトカゲ類を無視した場合、やはり飛び跳ねる系の目撃が多いことから (まぶたの件を除けば) ヘビである可能性が高い可能性はあります。
日本に生息しないアシナシトカゲの仲間 (Anguidae) も候補に挙げているのも散見されますが、アシナシトカゲはふつうのヘビと大差ないシルエットなので可能性は低く感じます。
ということでツチノコを未知種と考えた場合、かなり希少種の寸胴なヘビである可能性に期待しましょう。
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やったぁ久しぶりの日本UMAだ
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