■生け捕り作戦も敢行されたホッジス湖の怪物 ~ ホッジー
アメリカ、オハイオ州にあるホッジス湖 (ホッジズ湖, Lake Hodges)。
湖 (lake) という名は付いているものの厳密には貯水池、つまりダム湖です。
ホッジス湖が完成したのは1918年でありながら、どういうわけか出来て間もなくから巨大生物が目撃されるようになります。
この生物をホッジス湖の怪物 (Lake Hodges monster)ことホッジー (Hodgee) と呼びます。
トカゲに似た頭部を持つ巨大な生物が泳いでいるのを目撃した、乗っていた船が巨大な生物の襲撃により破壊された、湖岸近くに置いてあった岩窟採掘器が何者かによって破壊された、といった事件が相次いで報告されます。
これを全てホッジーの仕業だとすれば水陸両用ということになりますね。
まあそんなこともあり、湖の完成から僅か14年後の1932年にはもう「ホッジス捕獲プロジェクト」が敢行されます。
時代背景もありそのプロジェクトはとてもシンプル、原始的なもので、大きな檻にエサを入れおびきよせて生け捕りにするというものです。
プロジェクトに使用された檻の大きさは高さ4メートル、幅5メートル、奥行10メートルの巨大なもので、その中にガラスケースに収納したカメラを数台設置、ホッジーをおびき寄せるため生き餌として採用されたのはなんと生きたカリフォルニアアシカ (Zalophus californianus) でした。
哺乳類のアシカなので息継ぎをする必要がありますが、最初から「怪物の餌」として投入されたものなのでアシカの生存は鼻から考慮していなかったことでしょう。
3ヶ月もの間トラップを沈めていたそうで引き揚げた時にはホッジーどころかアシカの姿すらありませんでした。
アシカが消えた理由は定かではありませんが、沈められて間もなく窒息し、その死骸が魚たちに食べられてしまったのかもしれません。
このプロジェクトによる唯一の功績は設置されたカメラの1つから不明瞭ながら、なにか大きな生物のようなシルエット (らしきもの) が撮影されていたことです。
但し、この時代の水中内でのカメラ撮影の性能に問題があったのか、それとも単に水が濁っていたのかは分かりませんが、あまりに解像度が低すぎて「何が映っているのか分からない」というのが正直なところです。
湖に巨大な生物、ホッジーが棲息しているという決定的な証拠として取り扱うには不十分なものでした。
しかしこの写真程度でもそれなりの成果はあったと判断したのでしょう、この「ホッジス捕獲プロジェクト」が敢行されたことを公表します。
名声を得たかったのか資金援助を受けたかったのかそれともそのどちらもだったのか、その真意は分かりませんが人々から称賛を浴びることはありませんでした。
それどころかこの作戦を実行したことが公表されるや、今ほど動物福祉について厳しくなかった1930年代ですらカリフォルニアアシカを生き餌に使ったことで大きな批判を浴び、プロジェクトはそのまま断念する結果とになりました。
その後ホッジーの目撃は減少し忘れ去られそうになっていた1950年代、凝りもせず (?)、今度は湖内に毒を撒き魚類がほぼ全滅、名目上は増えすぎたコイを全滅させるためということでしたが、実際はホッジーを殺して捕まえるためだったともいわれています。
もちろんその時もホッジーは発見されませんでしたが、おそらくホッジーの餌となっていたであろう魚まで殺され、ホッジーがそれまで存在していたとしてもホッジス湖は環境的に厳しい状態に陥ります。
その後水は中和されたのでしょう、新たに多くの魚類が放流され再び豊富な魚が棲息する湖へと戻りました。
しかしさすがにホッジーはもう無理だろう、、、と思われていた矢先の1966年、ホッジーが目撃されたのです。
湖に訪れていた2家族7人により湖岸から45メートルほどの地点に浮くホッジーが目撃され写真に収められました。
完全に何かは映っていますが、それが生物なのかどうかの判断は難しいですが。
冒頭に書いた通り、このダムが完成したのは1918年、完成から100年以上経った現在では老朽化により修繕しながらなんとか持ちこたえていますが、1934年ごろを目処に新しいダムにとって代わられる予定となっています。
となるとホッジーもお引越しでしょうか。
ホッジーの無事を祈りましょう。
(関連記事)
0 件のコメント:
コメントを投稿