■砂漠のビッグフット ~ ボレゴ・サンドマン
ビッグフットをはじめとする獣人系のUMAは森や沼沢地が似合います。
そういったイメージからすると今回紹介するボレゴ・サンドマン (Borrego Sandman) は一風変わっており、砂漠で目撃される獣人系UMAです。
ボレゴ・サンドマンが目撃されるのはアメリカ、その名前の由来ともなっているカリフォルニア州サンディエゴのアンザ・ボレゴ砂漠州立公園 (Anza-Borrego Desert State Park) 内です。
この国立公園の面積は約2300平方キロメートルもあり、東京ドーム換算で約50万個分に相当する超巨大国立公園です。
ボレゴ・サンドマンが砂漠で目撃されるといっても、サハラ砂漠のど真ん中のような砂だらけの場所に出没するわけではありませんが、比較的樹木の少ない地域です。
身長は8フィート (約2.4メートル)、二足歩行する類人猿的な姿はビッグフットとイメージがダブりますが、ボレゴ・サンドマンは全身が白毛で覆われているという点でも特異です。
この地域の先住民族たちに伝わる「悪臭を放つ人間のような生物」はおそらくボレゴ・サンドマンと同一と考えられており、白毛という点がイエティ (ヒマラヤの雪男) を彷彿させるからか、アボミナブル・サンドマン (Abominable sandman) とも呼ばれます。
これはイエティのことをアメリカでは通常、アボミナブル・スノーマン (Abominable snowman) と呼ばれることにかけた言葉です。
ボレゴ・サンドマンは19世紀から目撃が続いており、特に1876年4月の目撃はいかにこの生物が人間的であったかを示す逸話が残っています。
というのもターナー・ヘルム (Turner Helm) なる探鉱者がボレゴ・サンドマンと遭遇、彼はサンドマンと意思疎通を図ろうと、彼が知っているいくつかの言語を駆使しサンドマンに話しかけたというのです。
残念ながらサンドマンはそのいかなる言語にも反応を示すことはなく、ついには暴れだしたため手持ちのライフルで威嚇し追い払わざるを得なかったといいます。
この話がどこまで信頼できるかは分かりませんが、完全に野生動物と判別できるのであれば会話を試みようとするはずはありません。
また、巨大な野生動物 (クマや大型ネコ科動物等) により身の危険を感じた場合、ライフルで撃ってもおかしくありませんが、ヘルム氏はそうしなかった、つまりは「殺人」を疑われる可能性が頭をよぎったのかもしれません。
それから10年以上経った1888年3月、何者かにより惨殺された殺人事件の捜査を行っていたチャールズ・コックス (Charles Cox) 氏とエドワード・ディーン (Edward Dean) 氏はその手口 (死体が引き裂かれていたとも) から犯人は人間ではないと判断、サンドマンの仕業と断定しました。
二人は協力しサンドマンを探し出すことに成功、射殺しその死体をサンディエゴへ送ったと主張していますが、UMAにありがちな輸送途中に紛失、二度と見つかることはありませんでした。
20世紀に入っても目撃情報は続き、キャンプ地がサンドマンの集団によって襲撃されたといったものや、巨大な足跡を発見し写真に収め石膏で足型も取った、といった存在を証明できる「決定的」な目撃談がいくつもあるにも関わらず、物的証拠は毛一本も残っていないという惨状です。
1960~1970年代まで散発的に目撃が続くもついにそれ以降は目撃が絶えてしまい現在に至ります。
アメリカの獣人系UMAの正体はアメリカグマ (Ursus americanus) 正体の筆頭候補として挙げられることを踏まえ、ボレゴ・サンドマンはアメリカグマの亜種で、クロクマにも関わらず体毛が白いシロアメリカグマ (Ursus americanus kermodei) を候補に挙げておきましょう。
シロアメリカグマはアメリカグマのアルビノではなく、単に毛が白いだけで和名に反し全てが個体が白いわけではありません。
全個体の10~20%が白い体毛を持ち、白い個体はスピリット・ベア (Spirit bear) と呼ばれます。
まあ正体の候補といいつつ、スピリット・ベアの生息域はカナダのブリティッシュコロンビア州であり、生息域は全く異なるんですけどね。(笑)
(参照サイト)
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