■妖怪?UMA?それとも実在する? ~ 佐渡のタテエボシ
今回はタテエボシ (Tateeboshi)。
もともとは新潟県佐渡市に伝わる妖怪ですね。
烏帽子 (えぼし) の中で最も格式高いものが立烏帽子 (たてえぼし) であり、この妖怪の名はこの烏帽子に由来します。
(立烏帽子を被った男性)
(original image credit: Wikicommons)
ちなみに立烏帽子に姿の似る琵琶湖の固有種、立烏帽子貝 (Unio douglasiae biwae) という二枚貝がいますが、これは「タテエボシガイ」ではなく「タテボシガイ」と読みます。
さてUMA (もしくは妖怪) のタテエボシの方を見ていきましょう。
タテエボシはいくつか種類があるようです。
ひとつは陸棲のものであり、より妖怪的なものです。
体は羽織袴を着用した人間であり、頭部が立烏帽子状でそこに目鼻がついているというもの。
もうひとつが海棲で巨大な立烏帽子に似た突起物 (?) を有するものです。
今回紹介するのはこちらの方です。
この海棲のタテエボシは船で航行していると突如目の前に立ちはだかり、立烏帽子に似た突起物ごと船に向かって倒れかかってくるといわれています。
ここだけ聞くとタテエボシは生物と見るか帆を張ったゴーストシップと見るか微妙な感じではあります。
但し、この「船の襲い方」にはバリエーションがあるようで、上記のように立烏帽子を船にぶつけてくるだけではなく、立烏帽子で船底に穴を開けるといった方法もあるようで、こちらは随分と生物的です。
このタイプは魚類であり、その突起物は背ビレと考えられています。
(バショウカジキ)
(image credit: Wikicommons (Public Domain))
実際のところ遊泳時に抵抗の大きい立烏帽子のような円筒形の突起物を背負って水中生活をするのは困難でありそのような生物は存在しないと思われますが、敢えて言えばこれはバショウカジキ (Istiophorus platypterus) が正体である可能性があります。
バショウカジキは最大体長3.4メートル、鋭く伸びた上顎と背中に張った巨大な帆 (背びれ) が特徴で、タテエボシの故郷、新潟沖にも生息しています。
船底に穴を開けられそうな槍のように尖った上顎や、船に倒れかかってきそうな巨大な背中の帆はまさにタテエボシの特徴 (襲撃方法) を彷彿させるものです。
ま、実際のところは分かりませんけどね。
ところでカジキの仲間は最も遊泳力に優れた (時速110キロ) 魚類として知られていますが、ナショナル・ジオグラフィックが海洋生物の遊泳速度を調査したところ、バショウカジキの平均遊泳速度は時速2キロ、最高でも時速8キロしか出ないとカジキの高速遊泳説は嘘っぱちと一蹴しています。
えっ!?そうなってくるとバショウカジキは彼らが主食とする魚類たちを捕まえられるのか?という新たな疑問が生じます。
が、ほぼすべての魚類の遊泳速度は時速8キロに満たない (マグロの瞬間的に出せる最高速度で時速18キロとのこと) と断言していることから、このナショナルジオグラフィックが主張する遊泳速度の話が「もし本当だとすれば」問題ないと思われます。
しかしにわかには信じられません。(笑)
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これ、地域的に見てカジポゴと同じなのでは…
返信削除コメントありがとうございます。
削除書いてて全然気づきませんでしたが確かに似てますね!
岡山で明らかにサイズのおかしい亀虫を見たんですけど、UMAに入りますかね?
返信削除時期は今年の7月半ばごろ、場所は岡山市の住宅街です、近所のスーパーに買い物に行く時に、地面に変な影があったので上を見たら、雀くらいありそうな亀虫が飛んでました。色は明るい緑色で、光沢はなくて、見た目は完全に亀虫でした、絶対にカブトムシかなんかではないと思います。
この辺山が近いのででかい虫は見慣れていますがあんな亀虫は見たことがありません。
コメントありがとうございます。
削除かなり大きそうですが甲虫じゃないとするとかなり不思議ですね~
サシガメの Psyttala horrida は5センチぐらいあるけど、もっと大きいですしね。
ちょっと考えてみますね。
情報ありがとうございました。
マンボウじゃないかしら?カジキよりは烏帽子に近い形状と思いますが。
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