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2024年5月11日土曜日

誘惑に負ければ死あるのみ ~ ディアー・ウーマン (鹿女)


■出逢えば死を招く ~ ディアーウーマン、ディアウーマン (鹿女)

日本語で「雪男 (ヒマラヤの雪男)」とは未確認動物イエティ (Yeti) のことです。

一方「雪女」となるとイエティのメスかというとそんなことはなく、妖怪に変わってしまいます。

さて今回はディア―・ウーマン (鹿女, Deer Woman)。

ディアー・レディ (Deer Lady) と呼ばれる場合もあります。

以前にディアー・マン (鹿男) を紹介しましたが、ディアー・マンとディアー・ウーマンは上記の雪男と雪女の関係に近いものがあります。

ディアー・マン自体が既にかなり民間伝承の傾向が強く、しかしそれでも一応獣人系UMAの域にはなんとか踏みとどまっていますが、ディアー・ウーマンはもはや日本でいう妖怪に限りなく近い存在だからです。

ディアー・ウーマンを見ていきましょう。

ディアー・ウーマンは北米中部地域の多くの先住民族に伝わる精霊に近い存在で、複数民族に伝わることからその容姿は統一感がありません。

子供や老婆であったり、シカそのものである場合もあり、また、いわゆるシェイプシフター (Shapeshifter) と呼ばれる姿を自在に変えられる能力を持つ、なんていわれる場合もあります。

諸説あるものの一般的には頭部にオジロジカ (Odocoileus virginianus) のような角を持ち、鹿の蹄を持つ以外に人間とはあまり変わらず、非常に魅力的な若い女性の姿をしているといいます。

これには理由があり、ディアー・ウーマンが狙うのは男性のみで、家族を虐待したり不貞を働いた男性が夜の森で迷ったときに彼らを誘惑するためです。

ディアー・ウーマンの誘惑に乗った男性は死に至るといわれています。

セイレーン (siren) の山バージョンといった趣です。

こんな超自然的なディアー・ウーマンですが、最低でも10を超える部族に目撃および伝承があるというのがこれまた不思議で、悪い噂のある男性が山中で遭難死した場合、ディアー・ウーマンと紐づけられた結果かもしれません。

但し、ディアー・ウーマンの存在を解くカギはあるかもしれません。

ディアー・ウーマンを研究した超常現象研究家ロン・ストリックラー (Lon Strickler) 氏によれば、ある時不思議なシカに出会ったといいます。

出逢ったのは山中で、それは痩せぎすのシカでした。

ストリックラー氏をジッと見ているだけ逃げ出そうという雰囲気はなく、ストリックラー氏が興味を抱き近づくと50フィート (約15メートル) ほど近寄ったところでシカは身を翻して少し先に進み、そして再びそこで留まりストリックラー氏を見つめているといいます。

近づくとまたシカは同じ行動をし、どこかへ誘導しているかのようだったといいます。

おまけに口を開いて何かを話しかけているかのようだったとも語っています。

ストリックラー氏は仕事柄、スーパーナチュラルに捉えているものの、これは人間を知らないシカがそれほどストリックラー氏に危険を感じず観察し続けていた自然な行動であった可能性もあります。

こういったことが伝説を生む結果になったかもしれません。

ところで、ディアー・ウーマンは男性にとって必ずしも敵対的な存在ではないようです。

ラコタ族に伝わるディアー・ウーマンはアヌキテ (アヌカイト, Anukite) と呼ばれ、直接的に彼女と関係を持った男性は死ぬものの、彼女の夢を見たものは超自然的な力を手に入れその後?栄するといわれています。

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2 件のコメント:

  1. 角があるなら男の娘かー。ご辞退申し上げる

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  2. 角があるなら男の娘かー。ご辞退申し上げる

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