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2025年9月21日日曜日

双頭の恐竜が発掘された ~ ヒファロサウルス


■双頭の恐竜が発掘された ~ ヒファロサウルス

最初に断っておくと、今回の主役、ヒファロサウルス (Hyphalosaurus) は白亜紀前期に棲息していた淡水棲の爬虫類で恐竜ではありません。

そうはいっても「恐竜」と表現した方が分かりやすいですし、一般的に恐竜と同時代の爬虫類、翼竜や海棲爬虫類は一般層では恐竜と変わらないという認識ですしね。

で、ヒファロサウルスはUMAでもなく、完璧に実在が確認されている生物です。

ということでヒファロサウルスを見ていきましょう。

ヒファロサウルスは首の長い淡水棲爬虫類で体長は3フィート (約90センチ) ほど、学名は「水のトカゲ」を意味し、恐竜絶滅後もしぶとく生き残ったコリストデラ目の仲間です。

(チャンプソサウルス)
(image credit: Wikicommons)



コリストデラ目にはワニそっくりのチャンプソサウルス・ギガス (Champsosaurus gigas) のように全長3.5メートルにもなる種も存在しました。

さて、ヒファロサウルス、四肢はヒレ状になっていないものの、長い首をもつ水棲の爬虫類であり、「ミニネッシー」といった風情を醸し出します。

それこそ淡水棲ということを考えれば、ネッシーの正体をプレシオサウルスを代表とする首長竜よりも進化したヒファロサウルスを候補に挙げた方がまだマシかもしれません。

さて、注目すべきは双頭のヒファロサウルスの化石が見つかったこと。

(双頭のヒファロサウルスの化石と復元図)
(image credit: Haiyan Tong)

恐竜ではありませんが、2つの頭部を持つ恐竜に似た爬虫類が以前は存在していた?

しかしそんなことはとてもありそうにはありません。

発掘されたのは中国北東部の義県層 (ぎけんそう) の洞窟の中で発見されたもので、他の生物でもまれに双頭の生物が誕生するように、この双頭のヒファロサウルスもまた胚の損傷による奇形と考えられています。

前述したようにヒファロサウルスは体長90センチほどに成長しますが、この双頭のヒファロサウルスはは3インチ (約7.5センチ) と成体の1/10以下しかなく、頭部が二つあるだけではなく、首の根元から分岐しており、トレードマークの長い首も2本持っていました。

おそらく孵化はしていたと考えられるものの、赤ちゃんヒファロサウルスであることは確かで死因は不明ですが短命 (もしくは孵化して間もなく死亡) に終わったのでしょう。

双頭の生物は爬虫類以外でも哺乳類でも見かけるものですが、いずれも一般的に短命であることが多く、その中では哺乳類よりは爬虫類の場合の方がより長く生きられることが多いとは言われていますが、少なくともこのヒファロサウルスは長くは生きられなかったようです。(外的な要因かもしれませんが)

さて、ここで生粋のUMAファンであればマディディ・モンスターを思い浮かべた人もいるかもしれません。

南米ボリビアで回収された恐竜 (竜脚類) タイプのUMAの死骸で、竜脚類ならではのとてつもない長い首をしていましたが、それとは別に首の両側に頭部のついた短い首を持っていたといわれており、双頭ならぬ三又の頭を持つUMAでした。

上述のように双頭の生物は短命であることが多いものの、中にはそれなりの大きさまで成長したものもいるかもしれません。

特に竜脚類であれば、成長スピードも速く、ある程度健康であれば数年でかなりの大きさに成長した可能性もあり、マディディ・モンスターは完全な夢物語ではないかもしれません。

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