■立方体の卵を産む鳥類 ~ ギリ―ギャル―
2014年、イングランドのサフォークの農場で、サイコロ状、つまり立方体の卵を産む鶏が発見されました。
卵の形こそ違えど中身は同じだろうと容易に推測できますが、なんと驚いたことにこの卵を割ると、中の白身も正方形に広がるという事実が判明しました。
これは食パンと同一の形状であり朝食のサンドイッチづくりに革命をもたらすものと同農場主は期待しています。
また、この鶏卵の量産に成功すれば、従来の (横から見て) 楕円状の鶏卵と異なり、隙間なく並べられ、かつ転がらないことで、梱包も飛躍的に向上することでしょう。
(報じられたキューブ状の鶏卵)
(image credit: ITV)
しかし、、、
2025年4月1日現在、この四角い鶏卵が市場に出回っているのを見たことがありません、どうやら量産に失敗したようです。
と、これは全くのジョーク、2014年4月1日、イギリスの民放ITVのエイプリルフールネタです。
しかし、実はこのような卵を産む生物はUMAの世界では存在しており、今回はその生物、ギリ―ギャル― (Gillygaloo) を紹介しましょう。
ギリーギャルーはこのブログではおなじみのフィアサム・クリッター (Fearsome critters) のひとつで、北米の民間伝承上の生物です。
ギリ―ギャル―はチドリの仲間であることからそれほど大きな鳥類ではないと思われますし、実際「小鳥」という描写もあります。
非常に傾斜のきつい丘陵地帯に生息するチドリの仲間で、卵は巣の中で産まず厳寒の冬季に、しかも丘陵の斜面の雪の上に直接産み落とします。
通常卵は親鳥が温めることで孵化しますが、ギリーギャルーの卵は冷たさで孵化するからです。
そのメカニズムに疑問を持つ以前に、いくら雪の上といえど、急斜面に卵を産み落とせば卵は丘陵を転がり落ち、その卵の運命は絶望的です。
質より量で勝負したところで、そんな運任せでは絶滅は避けられません。
ということでギリ―ギャル―は急斜面でも転がりにくい立方体の卵を産むように進化したというわけなんですね。
ですがまあ、フィアサム・クリッターに実在性を求めるのは酷なうえ、「冷やすことで孵化」という特性を除いても、やはり四角い卵を産む生物は存在しそうにはありません。
(ウォンバットの四角い糞)
(image credit: Wikipedia)
ただ、卵ではありませんがウォンバット (Vombatus ursinus) は四角い糞をすることができるので、もしかすると卵を四角い形状に成型すること自体は生物的には可能かも?
ただその進化の費用対効果が低すぎてそんな生物はいないだけかもしれません。
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