■スウェーデンの代表的水棲UMA ~ ストゥール湖の怪物、ストーシー
今回はストーシー (Storsie)。
スウェーデンのイェムトランド県にあるストゥール湖 (Storsjön) で目撃される水棲UMAで、本国ではストーウェオーユーエ (Storsjöodjuret) といい、これは単純に「大きな湖の怪物」、つまりレイク・モンスターを意味します。
スウェーデン語の発音は難しい上に長いので、英語圏では一般的に冒頭のストーシーで呼ばれることが多く、我が国日本ではかつて「ストールション湖のリヴァイアサン (Leviathan) 」と呼ばれたこともあります。
ストールション湖はスウェーデン語のストゥール湖をローマ字読み (発音) したもので、「ストルション湖」「ストルシェン湖」等々、UMA本によりバリエーションはあるものの全部ストゥール湖のことです。
「ストールション湖のリヴァイアサン」なんてなかなかかっこいいですが、現在は巣飼われていないようなのでストーシーで統一しますね。
さてストーシーは「大きな湖の怪物」と呼ばれるように、ストゥール湖はスウェーデンで5番目に大きな湖です。
「大きな湖」といいつつ、スウェーデンで「5番目かぁ、1番じゃないのかぁ」と思うなかれ。
スウェーデンには大小22,600以上の湖があり、第5位というのは全体の上位0.2%に入ります。
で、ストゥール湖は琵琶湖の2/3ほどの表面積があります。
但し、最大水深で74メートル、平均水深は14メートルと大きさの割には比較的浅い湖です。
ちなみにスウェーデン最大の湖はヴェーネルン湖 (Vänern) で、スウェーデンのみならず、ラドガ湖とオネガ湖に次いでヨーロッパでも3番目の大きさを誇ります。
こちらは琵琶湖の8.5倍ほどありますが、ストゥール湖同様、表面積の割に浅く、最大水深106メートル、平均水深27メートルほどです。(琵琶湖は最大水深103メートル、平均水深41メートル)
さて、ストーシーの話に入りましょう。
遅くともストーシーの伝承は17世紀、もしかすると11~14世紀からあり、由緒あるUMAといえます。
但し、ここまで古いものだとさすがに「伝承の生物」以上のものではなく、その大きさも300フィート (約90メートル) と常軌を逸した大きさです。
本格的に現在のストーシー像ができあがったのは19世紀以降、これでも歴史あるUMAであることが分かります。
古くから知られていることで目撃例も多く (200件以上)、その身体的特徴もある程度規則性がありますが、当然これだけの目撃があると、例外的なものも含まれます。
体長は20~30フィート (約6~9メートル) と「UMAにしては」現実的な大きさ、頭部は哺乳類的 (犬や猫) ともいわれるものの、細長いヘビのような体型をしており、全体的な印象は典型的なレイク・サーペント系のUMAで、爬虫類的な生物と考えられています。
(四肢を持つかもしれない!?)
全くヒレや四肢を持たない完全なレイク・サーペント (大海蛇) タイプの目撃から、ヒレを持つタイプ、少ないながら四肢を持つタイプの目撃もあります。
仮に爬虫類だとして、ヘビよりもワニに似ていた、という目撃証言もあり、上陸を目撃した例もあります。
こういった矛盾は、実際は異なる生物をストゥール湖で目撃した生物をみなストーシーと呼んでしまっているのが原因かもしれません。
UMAにはこういうことが多々ありますし。
まぁここら辺の目撃証言のブレ具合は誤差範囲とし、概ねレイク・サーペントと考えていいでしょう。
とにかくこれだけ古くから目撃があるのだから、何かしら巨大な生物は棲息しているに違いない、そう信じる人たちがいるのも不思議ではありません。
というわけで、ストーシーの生け捕り作戦が何度か行われています。
1894年には地元の市民たちが資金を集い、隣国ノルウェーの捕鯨家が雇われ本格的な捕獲作戦が敢行されました。
が、現在でも詳細が不明のことから推測できる通り、芳しい結果を得られることはありませんでした。
(2008年に撮影に成功したといわれるストーシー)
(YouTube)
で、スウェーデンでUMAといえば、同国のオカルト研究家、ヤン・オヴェ・スンベリ (Jan-Ove Sundberg) 氏がいます。
スンベリ氏は1997年、水棲UMAの調査団体、グローバル・アンダーウォーター・サーチ・チーム、通称GUST (Global Underwater Search Team) を創設、本格的なレイク・モンスターの調査を幾度も行ってます。
当然、GUSTはストーシーの調査も行っており、発見はできなかったものの、ストーシーの正体としてもっともありえそうなチョウザメ説には否定的、チョウザメ以外の未知の生物が潜んでいるのではないかと声明を出しています。
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