■狩られた頭部の剥製もある ~ エゴパンティス
アメリカ、マサチューセッツ州にある小さな町シャーリー (Shirley)、この町にはブル・ラン (Bull Run) という生演奏が楽しめるレストランがあります。
1740年に開業したといわれる歴史あるレストランですが、UMAファンにとって気になるのはなんといっても暖炉の上の壁に飾られている謎の生物、エゴパンティス (Egopantis) の頭部の剥製です。
なんでもこの生物、18世紀末、当時ブル・ランの隣に住んでいたナサニエル・スミス (Nathaniel Smith) という男性によって狩られたといわれています。
(エゴパンティスの頭部の剥製)
(image credit by Atlas Obscura)
当時、エゴパンティスはこのレストラン付近の森を彷徨い人々を恐怖に陥れていたといいます。
ある日のこと、スミス氏が近くの川で釣りをし、夜になったため片づけを始めていたところエゴパンティスが水を飲みに川に現れました。
スミス氏は怪物の出現にもひるまず携帯していたマスケット銃を構えると、野獣に狙いを定め発砲しました。
手応えはあったものの野獣は倒れません、エゴパンティスはそのまま反対岸に走り去ると土手を上って逃走、スミス氏は野獣の後を追います。
逃げられた?
いえ、やはり弾は当たっていました、エゴパンティスはブル・ラン・レストラン近くで力尽き倒れていたのです。
スミス氏は近隣住民たちを苦しめたエゴパンティスをついに仕留めたと歓喜の声を上げて店に入ってきたといいます。
(実在するブル・ラン・レストラン)
(image credit by Wikicommons)
エゴパンティスの頭部は剥製にされ、エゴパンティスを仕留めたスミス氏の伝説のマスケット銃とセットでレストランに展示されるようになりました。
18世紀末の話ですから、この剥製、かれこれ200年以上も経っているということになりますが、、、
飾られているのは頭部だけ。
しかし「頭部だけ」といってもとてつもなく大きく、体長は最低でも3メートル、もしかすると4メートル以上はあったかもしれません。
ビッグフットとヒヒ、それにカモノハシ をミックスしたような奇妙な顔をしていますが決して怖そうではなく、むしろつぶらな瞳は可愛い印象を与えます。
と、一応真面目に紹介しましたが、別にフェイクとも何とも暴露されてはいませんが、エゴパンティスの剥製はジャッカロープの剥製のような (ジョーク的な) 存在でしょう。
ですがエゴパンティスについて、実は現在進行形のストーリーも用意されています。
20世紀末、レストランに訪れたある人物がエゴパンティスの謎を解明しようとスミソニアン博物館およびニューヨーク・シティ・アメリカーナ協会 (実在するか不明) に手紙を書き調査の依頼をしたというのです。
で、上記どちらの機関からかは分かりませんが、エリザベス・ライアン (Elizabeth Ryan) なる学芸員がブル・ラン・レストランに派遣されてきたといいます。
彼女は有能かつ非常に豊富な知識を持つ人物であるにも関わらず、エゴパンティスの剥製を前にすると戸惑うだけでなんら答えは見出せませんでした。
再度ライアン氏を招こうとブル・ランでは「エゴパンティス調査のためにエリザベスを連れ戻そう基金 (Bring- Elizabeth-to-Bull-Run-To-View-The-Egopantis Fund)」を設立、現時点ではまだ彼女を呼び戻せるほど十分な寄付が集まっていないとのことです(笑)
おそらくエリザベス氏は存在しないでしょうが、寄付を申し出たらレストランのオーナーはどんな顔をするでしょう?
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