■魅惑の香りで人間を襲う食人植物 ~ フイ・フイ (ジュイ・ジュイ)
南米ボリビアとアルゼンチンに自生するという幻の人喰い植物、フイ・フイ (or ジュイ・ジュイ, El Juy-Juy)。
極端に情報が少ない怪植物ですが、およそ食虫植物もしくは人喰い植物として描かれる不気味なものではなく、その姿はとても美しいといわれています。
伝説によればその美しい容姿を持つフイ・フイは、人間が好む芳香で人間や大型の動物を誘惑します。
その香りには催眠効果を有しており、フイ・フイの元へたどり着いた人間はその場で眠ってしまうといいます。
眠ったが最期、植物は吸盤をもつタコの触手のようなツルを眠りに落ちた人間に巻き付け包み込んでしまうといいます。
と、ありそうにもない植物です。
植物は俊敏な動作が苦手なうえ (ハエトリソウを除く)、力も強くないため大きな生物を仕留めるのは困難です。
大型生物を敢えて狙うなら (真偽はともかく) ライオンを殺すライオンゴロシやヒツジを殺すプヤ・ベルテロニアナのように、獲物の息の根を止めてから栄養を奪うという方法しかないでしょう。
プヤはすべて南米原産の植物で、フイ・フイの伝説のあるボリビア・アルゼンチンにはプヤ・ウェッデリアナ (Puya weddelliana)、プヤ・ディキオイデス (Puya dyckioides)、プヤ・カステラノシル (Puya castellanosii) 等々、まだまだたくさんのプヤ属が自生しています。
プヤ属はパイナップル科で、中には10メートルに達する大型種も存在し、パイナップル科なので甘く心地よい香りをするものもあるかもしれません。
伝説的ながら、プヤ・ベルテロニアナがヒツジ等、大型動物を殺すということからも、プヤ属の中に人間を仕留めると種がいるという伝説ができてもそう不思議ではありません。
フイ・フイの食人植物というのを字義どおりに捉えることはできませんが、プヤ属以外でもそれなりに元になった植物は存在するかもしれません。
(関連記事)
0 件のコメント:
コメントを投稿