今回は全身から血が噴き出して見える奇怪な姿の菌類、その名も「デビルズ・トゥース」、つまり「悪魔の歯 (Devil's tooth)」です。
北米そしてヨーロッパを中心に広い地域に分布しています。
和名が不明のため、学名 (Hydnellum peckii) をそのまま呼ぶことにします。
英語圏では「ハイドネラム・ペッキイ」と発音されているようですが、「ヒドネルム・ペッキイ」の方が正しいかな?分からないので前者で呼びます。
さて、このハイドネラム・ペッキイの姿を見てどういう印象を持ちますか?
悪魔的な印象を受ける人であれば「血がにじみ出ている」と感じるでしょうし、天使的な印象を受ける人であれば「イチゴジャムが湧き出ている」と、美味しそうに見えるかもしれません。
(original image by YouTube)
実際、英語圏も呼び方は真っ二つに分かれ、前者であれば「出血キノコ (Bleeding fungs)」、後者であれば「イチゴとクリーム (Strawberries and cream)」とまったく異なる表現をされています。
で、実際、このキノコは悪魔的であるのか天使的であるのか?
見た目で毒キノコ決定ですが、意外にも無毒。
かといって天使的でもなく、かすかに甘い香りがするものの、めっちゃ苦く食用は不可とのこと。
この特徴的なイチゴジャムは若い固体の傘の部分にのみ湧き出てくるもので、まさに若さの象徴です。
年とともに傘のほのかなピンク色は失われ、茶色に変色すると共にイチゴジャムの分泌も止まり、悪魔でも天使でもない、ただの冴えないキノコになってしまうそうです。
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