■巨大な飛べない鳥が夜な夜な屍肉を漁っているらしい ~ マカララ
今回は東アフリカからタンザニアの鳥類系UMA、マカララ (Makalala) を紹介しましょう。
鳥類系UMAといえば巨大な猛禽類が定番ですがマカララはちょっと趣が異なります。
ダチョウ、エミュー、ヒクイドリ、レア、、、といった飛べない鳥、いわゆる走鳥類 (平胸類) を彷彿とさせるUMAだからです。
足が非常に長くダチョウよりも一回り背が高いといわれ、最大で9フィート (約2.7メートル) もあるといいます。
では飛び切り大きなダチョウの個体を誤認したのでは?
しかしその可能性は低そうです、というのもマカララの頭部は先に挙げた走鳥類よりもむしろ猛禽類に似るといわれ、しかもその頭骨は大きくジグア族の酋長が被り物として使っているといわれるほどだからです。
またダチョウが草食性であるのに対し、マカララは完全な肉食、とくに屍肉食 (腐肉食) 性と考えられています。
アフリカという地域限定を外しても、特にその姿は現存する走鳥類にマカララの候補となりそうな走鳥類はいません。
猛禽の頭部をもち、かつ大きく、そして走鳥類のようなシルエットで背が高い。
欲張りな鳥です。
この「頭部が大きく肉食性、かつ体が重く空を飛べない鳥類」という特徴は恐鳥類を彷彿とさせます。
(ティタニスの全身骨格)
(image credit by Wikicommons)
恐鳥類は南北アメリカ大陸で?栄した鳥類で、体高8フィート (約2.4メートル) 以上、体重300キロの達したといわれるティタニス・ワレリ (Titanis walleri) を代表とするフォルスラコス科 (Phorusrhacidae) を筆頭にいくつかの科の総称です。
アフリカでは、アルジェリアで発見された鳥類の化石、ロボカタビス・アフリカーナ (Lavocatavis africana) はもしかするとフォルスラコス科に属する可能性もあるということで、絶滅種の生き残り説に恐鳥類を候補に挙げてもいいかもしれません。
絶滅種の巨大生物は人気がありますからね。
しかし、恐鳥類を出さずとも、このマカララの正体として現生種にいくつかの候補があります。
ひとつは「動かない鳥」でおなじみのハシビロコウ (Balaeniceps rex)、飛翔できる鳥類であるため、もちろんダチョウに匹敵するほど大きくはありませんが、足が長く非常に背が高いのが特徴で、最大体高5フィート (約1.5メートル)、翼開長も9フィート (約2.7メートル) 近くあります。
鳥類としては頭がデカく、大きなクチバシと鋭い眼光は見た目だけでいえば恐鳥類を彷彿とさせる怖さがあります。
但し、餌のアフリカハイギョ (Protopterus) を捕らえる瞬間以外は極めて動きが遅く、おそらく先住民たちにとって神秘性はほとんどないであろう存在が欠点です。
(ヘビクイワシ)
(image credit by Wikicommons)
ではヘビクイワシ (Sagittarius serpentarius) はいかがでしょう?
ヘビクイワシも飛翔できる鳥類のためダチョウたちには及びませんが、体高は最大で4フィート3インチ (約1.3メートル) を超える場合があり、翼開長も7フィート (約2.1メートル) もあります。
ヘビクイワシはタカ目 (Accipitriformes) に属し、いわゆる猛禽的な容姿をしており、名前の通り (蛇食い鷲) ヘビを含む小型の脊椎動物を狩って食べる肉食性です。
さらに朗報として、ヘビクイワシは飛翔できますがほとんど飛ばずに地上を走り回って狩りをすることからも「飛べない鳥」と誤認された可能性があります。
大きく (背が高く) 肉食性の猛禽類、しかも走鳥類のように飛ばない、まさにマカララを彷彿とさせます。
但し、どうあがいても酋長が被れるほど大きな頭部 (頭骨) を持ってはいないのが欠点で、頭に乗っけるぐらいで我慢していただけるならヘビクイワシはマカララそのものと言っていいでしょう。
そもそもその酋長が被っているといわれる頭骨を見せてくれれば話は早いのですけど、他部族の目に晒してはいけない、等々なにか理由があるものと解釈しましょう。
ヘビクイワシ説を一歩進め、「未発見の大型のヘビクイワシの仲間」を候補に挙げておきましょうか。
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