■発見者が呪われた地と絶望した ~ ダンズボロー・クリーチャー
今回は謎の漂着死骸シリーズ、ダンズボロー・クリーチャー (Dunsborough creature)。
毎年、たくさんの謎の死骸が砂浜に打ち上げられますが、海洋生物に親しんで育った日本人だとわりとすぐにわかるものも少なくありません。
ただ腐敗が進んでいるものは生前の原型が失われ、それこそ有史以前の生物を彷彿させる形状に変化しているものもあり、謎の漂着死骸はUMAの一ジャンルとして人気のあるコンテンツです。
さて、今回の漂着死骸は2024年8月、西オーストラリア州ダンズボローの砂浜に打ち上げられました。
2024年、新しめのものですね。
(ダンズボロー・クリーチャー)
(image credit:)
「ここは呪われた地よ、、、」
発見者の匿名の女性はこの生物をビーチで目にし、絶望してメディアに警告したといいます。
さて呪われているかどうかは分かりませんがこの生物を見ていきましょう。
頭部から腹部にかけては楕円状に膨らんだ形状をしていますが、全体としては割と細長い感じで尾に向かって先細りです。
頭部付近は触手もしくは触角のようなものがたくさん生えているように見えます。
写真に写っている手の大きさから全体としては120~140センチぐらいではないかと推測されます。
ちょっと大きめではありますが、映画エイリアンのフェイスハガー的シルエットですね。
(フェイス・ハガー)
(image credit: Wikicommons)
ただまぁ、腐敗後にビーチに打ち上げられ全体が焼けただれたようになっており、生前ここの姿だったのかは分かりません。
大抵の場合ヒレのような体から飛び出している突起物は取れてしまっており、このようなナマズのようなシルエットになる傾向があります。
尾は先細りだし深海魚?
それとも実際にエイリアン的姿の新種の海洋生物?
皆さんは写真だけ見て何か分かりましたか?
結論を先に言うと、クイーンズランド大学海洋科学センターのイアン・ティベッツ准教授によれば、腐敗が進行していて100%確実ではないもののテンジクザメ目に属するオオセの仲間で、クモハダオオセ (Orectolobus maculatus) ではないか、というもの。
(クモハダオオセ)
(image credit: Wikicommons)
つまりサメ。
見た目に違わずあまり活発ではなく、多くの時間を海底で過ごす夜行性のサメで最大個体は驚きの3.2メートル。
上下にかなり扁平した体型で、横長の大きな口を持ちます。
大人しそうですが割と気性は荒く、人喰いザメではありませんが近づくと無暗に咬みついてくるときもあるといい、その巨体も相まってクモハダオオセに襲われ重傷を負った記録も残っています。
漂着死骸は肌が焼けただれて模様の痕跡すら残っていませんが、体全体にリング状の斑紋があります。
オオセの仲間は英名でウォベゴン (wobbegong) と呼ばれ、本種は「スポテッド・ウォベゴン (Spotted wobbegong)」、「斑紋のあるオオセ」ですね。
この「ウォベゴン」はオーストラリアの先住民族 (アボリジニ) の言葉で「もじゃもじゃのヒゲ」を意味し、そう、この漂着死骸も触手に見えたのはこのヒゲの組織部分のようですね。
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