UMAの世界では当然のようにとんでもない大きさの巨大クラゲの報告があります。
もっとも大きなものは1969年11月、ふたりのスキン・ダイバー、リチャード・ウィナー (Richard Winer) 氏とパット・ボートライト (Pat Boatwright) 氏が魔のバミューダ海域南西で遭遇したものでしょう。
水深100~150フィート (約30~45メートル) ほどでふたりは海底方向に黒みがかった紫色の物体に気付きます。
はじめは何かわかりませんでした。
しかし、突如その物体は海面に向かって上昇をはじめ、その脈を打つような独特の動きから巨大なクラゲであることに気付きます。
ふたりは慌てて上昇し難を逃れたといいます。
その巨大クラゲの傘の直径は50~100フィート (約15~30メートル) もあり傘の淵はピンク色に染まっていました。
UMAではなく既知種のクラゲを見てみましょう。
(キタユウレイクラゲ / ライオンノタテガミクラゲ)
(original image credit: Wikicommons)
知られている世界最大のクラゲはキタユウレイクラゲ (Cyanea capillata) で、1865年アメリカ、マサチューセッツ州で捕獲された個体は傘の直径が7フィート (約2.1メートル)、触手の長さが120フィート (約37メートル) もありました。
触手が細くまた褐色であることからライオンのたてがみを彷彿させ、英名はライオンズ・メーン・ジェリーフィッシュ (Lion's mane jellyfish)、つまり「ライオンのたてがみのクラゲ」という名を持ち、日本でもそのまま「ライオンノタテガミクラゲ」と呼ばれる場合もあります。
今回の主役は最大サイズこそキタユウレイクラゲに譲りますが、希少性、気味の悪さという点ではおそらく圧倒するであろうダイオウクラゲことスティギオメデューサ・ギガンティア (Stygiomedusa gigantea) です。
傘の直径は3フィート強 (約1メートル)、触手は33フィート (約10メートル)、神出鬼没に世界中の海で見つかっていることからかなり分布は広いと考えられます。
しかしながら、この広い生息範囲、巨体にして人の目に触れることはめったにありません。
1910年に発見されてから110年以上の年月が経ちますが、目撃された回数はわずかに110回、平均で1年に1度しか見られません。
というのもスティギオメデューサ・ギガンティアが生息するのは深海中の深海、水深22000フィート (約6700メートル) にも達するからです。
ちなみに日本近海 (太平洋) でも目撃記録があります。
スティギオメデューサ・ギガンティアを見てみましょう。
(触手は4本しかありません)
この触手にプランクトンや小魚等を巻き込んで捕えます。
「巨大なクラゲ」というだけでも不気味ですが傘も触手も濃い紫色でさらなる不気味さを助長させます。
先に挙げたバミューダの巨大クラゲを彷彿させますね。
万一浅瀬に現れたらバミューダの巨大クラゲのように人間も襲われる?
スティギオメデューサ・ギガンティアは傘や触手には毒はなく、また何十キロもある人間を捕らえて食べるような腕力もなくそういった点では無害です。
但し、このきしめん状の触手に絡まって抜け出せなくなったらおそらく溺死、死亡確定なので気を付けましょう。
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