■クマムシ人間が誕生する日 ~ 人間とクマムシのハイブリッド
近い将来、早ければ2030年代にNASAは人類を送り込む計画を発表しています。
まだ訓練を受けた宇宙飛行士すら火星の地を踏んでいない現時点で話は早すぎますが、一般人の「火星旅行」や「火星への移住」なども決して夢物語ではなくなってきました。
とはいえ、大きな障壁もあります。
宇宙飛行士ならまだしも一般人が狭い船内に閉じ込められた状態で正常な精神状態を保つことができるのか?といった人間の精神的問題以前に (自分は無理)、放射線の問題がついてまわります。
火星のような遠い惑星への往復は往復で1~2年という長い期間を要します。
この往復期間に宇宙飛行士が浴びる放射線の量は2/3シーベルトというもの凄い量で、癌で命を落とす確率が21~24%ととんでもない数値となります。
これは現在の取れる放射線対策を行ったうえでの被爆量であり、とうていこの問題を解決せずに火星に旅立つことは不可能です。
そこで目を付けられたのが不死身伝説で有名な微小生物、クマムシです。
(クマムシの詳細はこちらの記事をどうぞ)
クマムシはクリプトビオシスという形態にトランスフォームした状態であれば、以下のような極限環境に耐えうることができます。
・人間の致死量の1000倍以上の放射線 (57万レントゲン)
・ほぼ絶対零度 (マイナス273度) の低温から150度の高温
・真空
・極度の乾燥
この中で着目されたのはもちろんの放射線への尋常でない耐性。
名門コーネル大学の准教授にして遺伝子学者・生物物理学者のクリス・メイソン (Chris Mason) 氏によれば、クマムシのDNAを人間に組み込むことによって、宇宙での生活にも耐えうる強靭な体を人類は手に入れられるかもしれないと主張します。
実現すれば人間とクマムシとのハイブリッド新人類、クマムシ人間の誕生します。
これはもちろんふざけた主張ではなく、向こう20年での実現を目標に研究が続けられているものです。
ただし、技術的な問題に加え、人類を他の動物とハイブリッド化させるという倫理的問題が実現への大きな障壁となります。
今後10年20年の間に放射線を遮断できる宇宙服や緩和できる薬などが開発されるかもしれず、クマムシとのハイブリッドをせずとも安全に宇宙にいけるようになるかもしれません。
しかしそうでない場合、クマムシとのハイブリッド人間は現実的なものになるかもしれません。
(参照サイト)
SPACE
UNEXPLAINED MYSTERIES
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