■シーサーペントはこいつが生き残っているからだ! ~ パラエオフィス・コロサエウス
海のUMAの代表格といえば、大海蛇、いわゆるシーサーペントです。
その正体としては、巨大なウナギやアナゴといった細長い体型の魚類、遊泳を得意とする大蛇、アミメニシキヘビ(Malayopython reticulatus)やビルマニシキヘビ(Python bivittatus)、さらには絶滅種の首長竜などの大型爬虫類がよく候補に挙げられます。
一方で、「ウミヘビ」と呼ばれているにもかかわらず、「未発見の巨大なウミヘビ」が候補に挙がることはほとんどありません。
― 現生ウミヘビは小さい ―
その理由は単純で、現生のウミヘビはそれほど体格が良くないからでしょう。
最大種でもネジウミヘビ/キイロウミヘビ(Hydrophis spiralis)の全長は約3メートルに過ぎません。
しかし実は、古くから「大型のウミヘビ」の存在自体は知られています。
― 実在した巨大ウミヘビ ―
今回は、実在が確認されている巨大なウミヘビ、パラエオフィス(Palaeophis)について見ていきましょう。
といっても、パラエオフィスはすべての種が巨大というわけではありません。
種によってサイズ差は大きく、最小種のパラエオフィス・カセイ(Palaeophis casei)は全長約1.3メートルほどしかありません。
しかし大型種となると話は別です。
パラエオフィス・グランディス(Palaeophis grandis)は5メートルを超え、パラエオフィス・コロサエウス(Palaeophis colossaeus)に至っては、小型個体でも8メートル、大型個体では12メートルを超えていたと推測されています。
5メートルでも十分ですが、12メートルともなれば文句なし。
このサイズなら、シーサーペントとして十分すぎるほどです。
― 生息時代と生態 ―
パラエオフィス・コロサエウスが生息していたのは、約5600万年前から3390万年前の始新世。
現在の北アフリカにあたる地域で、当時は温暖な海が広がっていました。
発見されている化石は椎骨のみで、頭部の化石は見つかっていません。
そのため食性については不明点が多いものの、その巨体から考えて、ウミヘビでありながら頂点捕食者だった可能性が高いとされています。
魚類はもちろん、ワニやカメといった爬虫類、さらには海棲哺乳類まで襲っていたのではないか、と推測されています。
― クジラさえ襲っていた? ―
そして、もっとも興味深い説が、獲物のひとつとしてクジラを襲っていたのではないか、というものです。
クジラといえば巨大生物の代名詞ですが、さすがに現生のシロナガスクジラ(Balaenoptera musculus)のような超大型種ではありません。
標的は、当時存在していた比較的小型のクジラ類だったと考えられています。
初期のクジラには小型種が多く存在していましたからね。
もっとも、ペルケトゥス・コロッスス (Perucetus colossus) のように史上最重量クラスとされる例外もいますが。
とはいえ、現生のウミヘビは主に小型魚類を食べており、最小のクジラである体長1.5メートルほどのコガシラネズミイルカ(Phocoena sinus)ですら、襲う姿は想像しにくいのが正直なところです。
― シーサーペント正体論として ―
今後、この説が主流になるかは分かりません。
ただ、シーサーペントの正体として「ウミヘビそのもの」が候補に挙がるのは、ロマンとしては理想的です。
その延長線上に、パラエオフィス・コロサエウス生存説を加えておくのも、悪くはないでしょう。
(関連記事)




.jpg)
0 件のコメント:
コメントを投稿