■ノルウェーの代表的レイク・モンスター ~ セルマ
今回はセルマ (Selma) です。
ノルウェーのセヨール湖 (Lake Seljord / Seljordsvatnet) に棲息するといわれる水棲UMAで、同国で最も有名なUMAです。
セヨール湖は長さ15キロメートルに対し幅は最大でも1.8キロメートルしかなく、非常に細長い湖です。
その表面積は16.5平方キロメートルとそれほど大きな湖ではなく、日本の湖と比較すると青森県の十三湖 (じゅうさんこ) と北海道のクッチャロ湖の間に割り込む形で第22位に相当する大きさです。
セルマはノルウェー語でセルヨーショルメン (Selijordsormen) と呼ばれ、その意味は「ミミズ」であり、このことからも分かる通り細長い体型をしたレイク・サーペント系のUMAです。
18世紀半ばからその目撃の記録はありますが、当初は民間伝承的な生物であり真っ二つに斬ったところ、半分は湖へと逃げ帰り、もう半分は湖畔で腐敗した、なんて感じです。
そういうわけで実在する生物として認識されるようになったのは20世紀以降、その中でもっとも古い記録は1918年といわれています。
目撃したのはカール・カールソン (Karl Karlsson) という名の男性で、セヨール湖で釣りをしていると水中を高速で急接近する生物に驚き釣り竿を投げ捨てて逃げたといいます。
水上に見えていたのはウマに似た頭部と首で3フィート (約90センチ) 程ありました。
カールソン氏と同年にはトルギル・ビョルシュ (Torgil Bjorge) 氏、2年後の1920年にはアイビンド・フィヨツフト (Eivind Fjodstuft) 氏によってワニに似た生物が相次いで目撃されました。
黒い体色であり、ワニと異なるのは前肢の代わりにヒレがあり、また体長も50~70フィート (約15~21メートル) ととてつもない大きさでした。
セルマの調査隊として忘れてならないのはスウェーデン人ジャーナリスト、作家、オカルト研究家のヤン・オヴェ・スンベリ (Jan-Ove Sundberg) 氏が創設したグローバル・アンダーウォーター・サーチ・チーム、通称GUST (Global Underwater Search Team) です。
2000年にCOMET (Co-Operative Monster Eel Trap) と呼ばれる18フィート (約5.4メートル) のチューブ状の捕獲機器を使用し、セルマの生け捕り作戦を敢行しました。
COMETは開口部が円錐状になっており中に入ると出られなくなる、いわゆる一方通行の仕掛けで、ウナギ等の捕獲器の特大バージョンといったものです。
250時間にわたり観察を続けましたが思うような成果は得られず、唯一の収穫は奇妙な波をソナーがキャッチしたのみでした。
GUSTの調査の翌年、匿名の親子によりレイク・サーペントらしきものが目撃されましたが、それ以降、目立った目撃はなく、またGUSTの創設者にして局長であったスンベリ氏も2011年に亡くなったことで再調査も行われていません。
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