■10本脚のホッキョクグマ ~ クプクジアック
クプクジアック (Qupqugiaq)、アメリカ、アラスカ州のイヌイットに伝わる10本脚の巨大なホッキョクグマに似た生物です。
クプクジアックには6本脚、8本脚説もありますが、いずれにしても3対以上の脚を持つクマ (に似た生物) というわけです。
北米のUMAですし、いかにもフィアサム・クリッター (北米大陸に伝わる民間伝承上の生物の総称) の一員といった印象を受けますが実は違うんです。
この動物はカナダ生まれの探検家で主に北極探検に人生を賭けたヴィルヒャムル・ステファンソン (Vilhjalmur Stefansson) がイヌイットのタラク (Tarak) という人物から聞いたものです。
但し、ステファンソン氏もそして情報源のタラク氏自身もこの動物を実際に見たことはありませんでした。
タラク氏はこの奇妙な動物の話を老人から聞いたといいます。
脚が10本であること (それに伴い体は長くなりますが) 以外は、ホッキョクグマと姿形は大変似ているといいますが実在するホッキョクグマ (Ursus maritimus) よりも遥かに大きな生物だといいます。
また半水棲で多くの時間を海中で過ごすのもクプクジアックの特徴です。
体が大きいこと、余分な3対の脚があることにより通常のホッキョクグマよりも有能なハンターだといいます。
確かに一端獲物に追いつき捕まえてしまえば余分な脚 (腕) を使って押さえ込むことができ、その脚はより機能的に働くに違いありません。
しかし時にはそれが仇にもなるといいます、というのも走っている際には余分な3対の脚の制御が上手くいかず脚同士が絡まって転倒してしまうこともあるからです。
しかも転倒すると5対の脚を空中でかきむしるだけですぐには起き上がれないという欠点を持ち合わせています。
イヌイットたちが狩りの際にクプクジアックに追われてもこのクプクジアックの転倒により命が助かっただけではなくクプクジアックを仕留めたという話もあります。
さてこの生物、、、
冷静に考えると、いくらUMAとはいえ、哺乳類で脚が10本、とても実在するとは思えない身体的特徴です。
にもかかわらず、このUMAは多くの先住民族の間で異なる名前で存在しています。
イヌイットたちだけではなく欧米の人物にも目撃者が存在するぐらいです。
これに対する説明は、子連れの複数のホッキョクグマを一匹のクマと勘違いしたというのが一般的な解釈です。
地面もホッキョクグマも白一色でコントラストに欠け複数頭が重なって歩いている場合、遠目から何頭で歩いているのかを即座に判断するのは困難です。
かといって近づいて見に行くには危険すぎます。
重なることで先頭のクマの頭部以外見えなければ1頭と勘違いし、多足のホッキョクグマに見える可能性があるかもしれません。
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