■スイスの森を徘徊するガスマスクの男 ~レ・ロヨン
今回はレ・ロヨン (Le Loyon)。
レ・ロヨンは1990年代半ばから10年に渡り、スイスのマウレス近郊の森で目撃され続けた謎の人物です。
UMA的にはヒューマノイドタイプ、といえますが、決して獣人ではなく、常にトレードマークのガスマスクを被り、ギンブ・スーツ (ボンデージ・スーツ) とマントを着用しているのが特徴の「人間」と思われます。
身長は190センチぐらいといわれ高身長、花を摘んでいるところや、花束を持っている姿を目撃されており、その奇妙な外観にそぐわず花を愛しているようです。
その存在はUMA、ゴースト、世捨て人等々、正体は不明であるものの、「都市伝説」の域は出ません。
というのも決して神出鬼没な存在ではないようで、目撃された10年もの間、その目撃地点から常に同じ道を通ることが知られており、それが本当であれば根気よく待ち伏せることで接触も可能と考えられるからです。
但し、真偽は定かではないもののレ・ロヨンのものといわれる写真は存在しています。
(真偽不明のレ・ロヨンの写真)
(image credit: Le Matin)
都合よく考えれば、目撃はあるものの、人の気配を感じるときはいつもの道を使うのを避けていた、とも考えられ、思っている程遭遇するのは難しかったのかもしれません。
実際、目撃のそのほとんどは偶発的であり、その姿も相まって遭遇者には恐怖を感じさせるものでした。
しかしその不気味な姿にも関わらず、彼は人間に対し襲いかかるといったような敵対的な行動を取ったことは一度もありませんでした。
そしてスイス中でレ・ロヨンの存在に対する噂が大きくなると、レ・ロヨンは大きな決断をします。
自ら命を絶ったのです。
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「親愛なるパトリック・デュ・マタン、あなたは愚か者であると同時に暗殺者です。
あなたは全く無害な存在を殺した!ハピネスセラピー (精神療法) に森を散歩することが有用であることに気付いた人物を!
亡霊にはこの幸福論を説明することはできませんが、少なくともあなたはザッハー=マーゾッホ (19世紀のオーストリアの小説家) を知らないようだ!
世界というものを築くには多くのことが必要なのです。
あなたは『自由を暗殺するもの』といえるかもしれません。
あなたの言動は、現代のわたしたちが中世の魔女狩りの時代にいるように錯覚させます。
森の中でガスマスクをし、フードを被り、ギンブ・スーツを着込んで彷徨う虫けらのような存在に対峙してみようとは思いませんか?
礼拝堂に人々は集まりその説教を聞きながら、より良い世界を望みながら瞑想にふけっているだけなのでしょうか?
私は子供たちを怯えさせ、そして笑わせます。
しかし、なぜ子供たちはテレビやメディアで流れる現実的な犯罪に対する恐怖に危機感を感じないのでしょうか?
現代社会において「寛容と自由」を調整する責任はだれが負うのでしょうか?
この本来美たる概念は実際のところ、麻薬密売や強盗、売春、強姦、暴動を引き起こすものたちに利益をもたらす結果となっています。
スイスは狭い国ですから、従わないものは全て根絶しなければなりません。
この数年間、私は常に独りで過ごし、自らの感情の進化を感じ始めていました、あなたに会う前までは。
しかし、とても残念なことにあなたは私の考えと真逆であることを証明しました。
亡霊が消滅すると、野獣を狩ることはリスクが付きまといますが、亡霊は死ぬことはないため、いつか彼らは復活し、結局あなたのような心の狭い人物を悩ますことになるでしょう。
私のこの最後の手紙を偶然発見してくれるであろう親愛なるトラッカー (トラッキングする人) やマッシュ―ルーマー (キノコ狩りをする人) 様へ:この手紙を地方行政官かその副地方行政官、あるいは『寛容と自由』について議論できるレベルのジャーナリストたちへ届けてくれることを願っています」
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彼はこの手紙の近くで命を絶ったところを発見され死体を回収された、とも言われている一方、この手紙とともに姿をくらまし現在でも生き延びていると信じる人もいます。
手紙を含めすべてが都市伝説だともいわれています。
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あくまで提案なんですが、今までに紹介してくださったUMA、グリッチ、寄生虫系の他にSCPも紹介してはどうでしょうか?提案なんで全然無視してもOKです🙆♀️
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