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2025年4月20日日曜日

蒸気船バリ号の見たモノ ~ バリ・シーサーペント


■蒸気船バリ号の見たモノ ~ バリ・シーサーペント

「4時30分ごろ、左舷方向、約半マイル (約800メートル) 先で水面が激しく波打ち始め、暫くするとキリンの頭部と首によく似た生物が水面に現れた。

しかしキリンよりも大きい。

その怪物は2分間ほど観察できたが、頭部を水面に叩き付けるように潜って姿をくらました。

怪物が消えた場所には多くの海鳥たちがいたが、それ以外は何もいなかった。

怪物の首はくびれの無い細長い円筒形で頭部のある先端も丸みを帯びていた。

おおよその直径は18インチ (約45センチ)、水上から見えていた部分で15フィート (約4.5メートル) と推測される。

灰緑色をしていた」

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これは1922年、スリランカ西方を航行していたオランダの蒸気船バリ号 (Bali) の乗員、四等航海士のP.クルイト (P. Kruyt) 氏が航海日誌に記していたものです。

少なくとも水上に出ていた部分は典型的なシーサーペント (巨大なウミヘビ) のシルエットです。

但し、直径45センチ、長さ4.5メートルもの「首」を一瞬ではなく2分もの間支えられる体はかなり強靭であり、体全体としてはシーサーペントのような体型ではなかった可能性も考えられます。

しかしこの淡々とした航海日誌の書きぶりが余計にリアル感があります。

(クルイト航海士の目撃スケッチ)

このシーサーペントは以前に書いたサタノ岬のシーサーペントとも共通点があり、記事内でも書きましたが誤認のひとつとして「クジラのペニス」が考えられます。

例えば現生最大の生物、シロナガスクジラ (Balaenoptera musculus) のペニスは直径36センチ、長さ3メートル、重さ約70キロもあります。

普段は体内に収納されており、交尾時に生殖孔から飛び出すため自然界での観察は困難です。

上記はあくまで死んだクジラからの推定値にすぎません。

ちなみにおとぎの国、アイスランドの首都レイキャビクにある「アイスランドペニス博物館 (アイスランド男根学博物館, Icelandic Phallological Museum)」には300本以上の哺乳類のペニスが展示されており、上記シロナガスクジラの一部欠落した不完全な1.7メートルのペニスが展示されています。

このペニスは完全体であれば5メートルを超すと推定されており、バリ号で目撃されたシーサーペントよりも「巨大」です。

航海日誌には頭部の詳細 (目・口・鼻等) が記載されておらず、クジラのペニスであった可能性もゼロではないでしょうね~









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