■ハワイのシェイプシフター系、巨大トカゲ ~ モウオウ (モオ)
今回は珍しくアメリカ、ハワイ州のUMA、モウ・オウ (or モオ, Mo'o) です。
ハワイにもUMAはたくさん存在しますが、そのほとんどは民間伝承上の生物でありモウ・オウもそのタイプです。
といってもその姿は幻獣のような突飛なものではなく、簡単に表現すると大きな爬虫類、オオトカゲやワニ (クロコダイル) に似た姿をしています。
体色は黒、UMAですから当然のようにバカでかく、小型のクジラほどもあるといわれおり川等の水辺に棲息していると信じられています。
非常に獰猛で邪悪な存在、基本的には人間にとって敵対的な存在です。
しかし人間の前に現れるときはその本来の姿とは別な姿、若く美しい魅惑的な女性の姿にシェイプシフトしているともいいます。
愚かな人間の男をおびき寄せるためです。
とまあ、ここらへんはおとぎ話的でいかにも民間伝承といったかんじではあります。
このシェイプシフターとしての一面は取り敢えず無視して話を進めましょう。
まずその大型爬虫類を想起させる姿。
オオトカゲ・ワニ (クロコダイル・アリゲーター) 系のUMAは珍しくないどころか最もありふれた陸棲UMAのひとつです。
(ハナブトオオトカゲ)
(image credit by Wikicommons)
「小さなクジラほど」という大きさこそ誇張されているものの、他地域で目撃される大型爬虫類系のUMA同様、きっととびきり大きく成長したオオトカゲやワニの個体が伝説的に伝わり「創造」されたに違いありません。
、、、といいたいところなのですが、、、
モウ・オウはとても不思議な存在なのです、というのもハワイにはオオトカゲやワニが棲息してないかったからです。
現在こそ外来種の流入でトカゲ類の爬虫類はいくつか定着 (オアフ島には中南米から持ち込まれたグリーンイグアナ (Iguana iguana) が棲息) していますが、少なくともモウ・オウの伝説が出来上がった当時のハワイ諸島には大型の爬虫類はウミガメ以外は存在していませんでした。
6世紀ごろ、マルケサス諸島 (マルキーズ諸島) に住んでいたポリネシア人がハワイ諸島に移住してきたのがハワイ諸島の人類の歴史の始まりと考えられています。
(現在ハワイ諸島最大の陸棲爬虫類、グリーンイグアナ)
(image credit by Wikicommons)
このポリネシア人の移住と共に小さなヤモリの一種も持ち込まれたといいます。
この小さなヤモリがモウ・オウの始まりだったのでしょうか?
そうかもしれません、モウ・オウは小さなクジラほどの大きさがあるという一方、普段はヤモリぐらいの大きさしかない、という説もあるのでそれは否定できません。
もうひとつはポリネシア人がハワイに渡る前の彼らの壮大な航海の歴史が関係しているかもしれません。
ポリネシア人たちは現在の中国からフィリピン諸島やビスマルク諸島などを経由し太平洋の島々へと移住先を広げていったことから、コモドオオトカゲ (Varanus komodoensis) をはじめとする大型のトカゲたちにも確実に遭遇しているはずです。
それ故、先祖代々これらオオトカゲの存在が伝わっている可能性があり、モウ・オウが創造されたと考えればそれほど不思議なことではありません。
おそらくこの二つのアイデアのいずれかが濃厚でしょう。
しかし、UMAファンとし「ハワイに未発見の大型爬虫類が棲んでいる」ことを期待してみてはいかがでしょう?
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