■マダガスカルに未知のヒツジは本当に存在するのか? ~ ハベビー
今回はハベビー (Habéby) またはフォツィアオンドレ (fotsiaondre) と呼ばれるマダガスカルのUMAです。
マダガスカルのUMA多いですよね。
ハベビーという単語はマダガスカル語で「白い羊」を意味するといい、その言葉だけ聞くと当たり前すぎてなんの神秘性も感じません。
取り敢えずどんなUMAなのか見ていきましょう。
ハベビーはヒツジぐらいの大きさの白い毛 (または毛皮) をもった四肢動物で、体には黒または濃い茶色のまだら模様があるといいます。
頭部は特に特徴的であり、吻 (鼻先) が非常に長く突き出ており、垂れ下がった長い耳、大きな目を持つといいます。
生態としては奇妙でヒツジでありながら夜行性だといいます。
知られているすべてのヒツジは昼行性であり、これはハベビーの特異な性質と言えます。
ヒツジと比較的見た目の似ているヤギはどうでしょう?
(チロルヤマヒツジ (Tiroler Bergschaf))
(image credit: Wikicommons)
ヤギもすべて昼行性ですが温暖化により、アイベックス (Capra ibex) 等、一部のヤギは昼間の活動が困難となり夜行性に傾きつつあるといいます。
但しハベビーは相対的に目が大きいといわれていることから、元から夜行性に特化したヒツジ、もしくはヤギである可能性があります。
また、一般的にヒツジは攻撃性が低く臆病ですがハベビーは天敵にも立ち向かうほど気が強く、この点もヒツジとしては特異であり、むしろヤギ的です。
このように「白い羊」という名前で呼ばれるほどヒツジらしくなく、ややヤギより、いずれにしても逃げた家畜のヒツジとは考えにくいところです。
では未知のヒツジ、またはヤギということで決まりかというと、全く違う意見もあります。
それはマダガスカルならではで、ヒツジでもヤギでもなく、ハベビーの正体は大型のキツネザルではないか、という説です。
そうなってくると現生種であれば候補は一択、現生最大のキツネザル、インドリ (Indri indri) です。た
ただインドリは目こそ大きいものの吻はあまり長くなく、耳に関してはそれこそ全く長くありません。
配色も白黒ツートンであり、仮にアルビノだったとしても上記の通り頭部の特徴も異なり、また現生最大といっても体長は60センチ程度、ハベビーの正体には弱い感じです。
そこで登場してくるのが絶滅種のキツネザル、アルケオインドリス (Archaeoindris) やメガラダピス (Megaladapis)。
いずれもインドリよりはるかに大きくヒツジ並み、いやヒツジ以上の大きさなので大きさ的にはオーケー。
絶滅していて毛の色は分からないので白っぽくまだらがあったと都合よく解釈することはできますが、やはり如何せん吻はそこまで長くはなく、耳に関しては分からないものの、やはりキツネザルの耳が長いとはちょっと考えにくいです。
とこんな感じでハベビーのキツネザル説はいずれにしても難しく、原点に戻りやはり脱走した家畜のヒツジ、ヤギ、例えばミミナガヤギのような実際に耳の長いヤギが現実的でしょうか。
少し夢を含ませ、未知のヒツジ、もしくは未知のヤギもその候補に入れておきましょう。
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