■京都、由良川の「杵の宮伝説」 ~ 由良川のの巨大サケ
京都北部を流れる由良川 (ゆらがわ)、この川には巨大なサケの伝説があるようです。
これは現在、若宮神社 (わかみやじんじゃ) の境内社 (けいだいしゃ) となっている、杵の宮 (きねのみや) にある伝説で、かの井原西鶴の著作物でも取り上げられているようです。
まあ、だからといって「実話」ということにはなりませんが、歴史的書物にその名を刻んでいることは確かなようです。
京都府綾部市の「あやべ市民新聞」さんのホームページで掲載されていた「ふるさと探訪」の記事から「杵の宮伝説」の一部分を引用させていただきます。
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その昔、綾部坪 (あやべつぼ) の内村 (現在の寺町) から本宮山のふもとにかけた一帯に大きな池があった。ある日、京へ向かう舟後の乾鮭 (からさけ) 売りがこの池のほとりで一休みする。
すると一羽の雉 (きじ) が、仕掛けられたわなに掛かっていた。男は出来心から商売物の鮭と雉を取り替えてしまう。この酒が『池の主』となる化け物となり、村の娘を人身御供 (ひとみごくう) に取るようになる。
何年か過ぎて再びこの地を訪れた乾鮭売りは、宿屋の主人からこのことを知らされる。男は米をつく杵 (米かち杵) を手に立ち向かい、姿を現した体長五、六尺 (約一・五 ~ 一・八メートル) はある鮭の化身を対峙する。
村人は男を神仏のように敬うが、自分が雉と鮭を取り替えたとも言えず、感謝する村人に「対峙できたのはこの『米かち杵』のおかげ」と告げた立ち去る。
村人は、この多い毛を見下ろす本宮山に杵を収め『杵の宮』としてお祭りした。
----- 引用ここまで -----
どうでしょう、武勇伝交じりの「昔話」といった感じですよね。
まあ個人的な感覚から行くと鮭といけば北海道とか日本でも北方のイメージが強く、京都と聞いて鮭を連想する人はどれだけいるのだろう?といった感じです。
そもそも由良川に鮭がいるのか?という疑問すら浮かびます。
が、どうやら由良川には鮭がいるようで、由良川は鮭が遡上する国内最南端の川だそうです。
現在でも稚魚を放流し遡上してきた鮭を捕獲する取り組みが行われているようですが大きいもので70センチ程度と、さすがに「杵の宮伝説」に登場するような化け物のような鮭は捕獲されません。
まあ伝説上の1.5~1.8メートルの鮭というと、キングサーモン/マスノスケ (Oncorhynchus tshawytscha) の最大個体 (1.5メートル) ぐらいで絶対に無理な大きさではありません。
まあサケ科ではイトウ (Parahucho perryi) であればそのサイズも夢ではありませんが、現在は北海道のみ、以前は東北には生息していたようですがさすがに京都は無理じゃないかなと。
由良川のの巨大サケは古き良き日本の伝承としてそっとしておきましょう。
(参照サイト)
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