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2025年1月10日金曜日

ベテラン船員が目撃した怪物 ~ ロトマハナ・シー・サーペント


■ベテラン船員が目撃した怪物 ~ ロトマハナ・シー・サーペント

「グリーンランド近海での捕鯨から奴隷貿易に至るまで、この世で知られるほぼすべての貿易に携わり世界中を旅してきました。

しかし、先週の土曜日の朝に目撃した、あれほど私に衝撃をもたらした生物を一度たりとも目にしたことはありませんでした。

シーサーペントについて今まで飽きるほど聞いたり読んだりしてきましたが、私は常にその存在には懐疑的でした。

海の上で多くの時間を過ごし、あまりに多くの驚くべきものを目にしてきた私だから、シーサーペントが存在しない、と断言することはできません。

かといって、これほど海を熟知している私が、既知の動物を誤認したとも思っていません」

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(シーサーペント?)
(image credit: Wikicommons)

今回はロトマハナ・シー・サーペント (Rotomahana sea serpent)。

客船ロトマハナ号の乗員によって目撃されたシーサーペントです。

冒頭のコメントはロトマハナ号に乗船していた船乗り27年のベテラン一等航海士、アレクサンダー・リンゼイ・カー氏がシーサーペント (らしき生物) を目撃した後に新聞のインタビューで語ったものです。

目撃された時期や場所、そしてその生物の外見的な特徴からマナポウリ・シー・サーペント (Manapouri sea serpent) と同一の可能性も考えられます。(近日公開 2024/1/18予定)

しかし近い日付であるもののあくまで別日、別の船から目撃されており、これらふたつは絶対に同じとは断言できず、またその見解も異なります。

また、両者まとめて書くととても長くなるので便宜上、別物として扱います。(が、同一生物と考えてもらっても構いません)

いずれもニュージーランド近海で目撃されたシーサーペントです。

カー一等航海士の目撃したコメントを詳しく見ていきましょう。

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「1891年8月1日、午前6時30分、船はポートランド沖、ギズボーンとネーピアの間を航行していました。

甲板に出て陸地が見えるか確認していると、突如なにかが水面から30フィート (約9メートル) の高さまで突き出てきたのが見えました。

シルエットはアナゴに似ていましたが、大きな2つのヒレは10フィート (約3メートル) ほどもあるように見えました。

その生物は船から100ヤード (約90メートル) 以内の距離におり、胴回りは10~12フィート (約3~3.6メートル) と推測されます。

船に腹側を向けて飛び出したので、背中はどうか分かりませんが、腹部とヒレは真っ白でした。

また、頭部と体の境目は不明瞭であり、巨大なアナゴと同様のプロポーションでした。

再び水面に戻るときは頭部から水面に潜るのではなく、水中に引き込まれるように没していきました。

そのままその生物は船の下を通り、反対側に出てくるのを期待しましたが二度とその姿を見ることはありませんでした。

操舵手のひとり、ピーター・ネルソンもそれを見ており、ブリッジを駆け上がって私のところへやって来ると、今の生物を見たか?尋ねてきました。

その生物の全長については、水面から出ていた部分で約30フィート、体の2/3は水中に没していたのではないかと思っていますが、これはあくまで私の推測に過ぎません」

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水上に出ていた部分だけで30フィート (約9メートル)、水中に60フィート (約18メートル)、具体的な数字は出していませんが、つまり90フィート (約27メートル) と推定しています。

あまりにバカげた大きさのため、「90フィート」という具体的な数値を言葉にするのをためらったのかもしれません。

そしてカー一等航海士の話にも出来てたネルソン氏の目撃証言はこうです。

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「前週の8月1日土曜日、朝6時半頃、私は6時に操舵室から戻り、廊下に立って外を眺めていたときのことでした。

突如、物体が水面から30フィートも飛び出て、そして沈んでいくのを目撃しました。

魚が前方に跳ねるのとは異なり、水中に引き戻されていくような動きで、合計4度、浮上と潜水を繰り返しました。

最初に見たのは船から1マイル (約1.6キロメートル)、最後に見たのは100ヤードの地点で下。

この間の移動時間は約2分です。

巨大なヘビもしくはアナゴのように見えましたが、大きなヒレを二つ持っており、ヒレの長さは10フィート、頭の先から約20フィート (約6メートル) ぐらいに位置していました。

ヒレの先端は水面に着きそうなほど長く、また、付け根部分の胴体は少しふくらみがあるように見えました。

腹とヒレは真っ白で、頭部や首はウナギに似ていました。

クジラとは似ても似つきません、仮にそれがクジラだったとしたら、海でクジラに遭遇することは日常的なことであり私の記憶にも残らなかったでしょう。

朝早かったこともあり、周りに人はいませんでしたが一等航海士がブリッジにいたので、彼と今見た生物について話しました。

私は決して怖がりではありませんが、あの生物がもっと間近に迫っていたらおそらく恐怖を感じていたと思います」

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とこんな感じ、別々に見ていたものの、二人の証言はほぼ同じです。

クジラではないと断言していますが、既知生物で誤認されうる生物はクジラぐらいしかなく、もっともあり得そうなのは巨大かつヒレの長いクジラはザトウクジラ (Megaptera novaeangliae) でしょう。

(ザトウクジラのブリーチング)
(image credit: Wikicommons)

頻繁にブリーチング (海面上に飛び上がる動作) を行うことでも有名で、その挙動も似ています。

ザトウクジラはメスの方がやや大きくなり15メートル前後、最大で17メートル、ヒレの長さは5メートルを超え、推測される全長27メートルには遠く及びませんが、シーサーペントの全体像は目撃されておらずあくまで27メートルは推測であり、ザトウクジラは大きさ的には合格点といえるでしょう。

但しシーサーペントの胴回りは10~12フィート (約3~3.6メートル) と推測されており、直径にすると最大でも1メートル強、ザトウクジラにしてはやはり細すぎます。

角度の問題 (真横から観察) で細く見えたのかも?という推測もありますが、両ヒレ (おそらく胸鰭) が確認されており、腹側か背側かは確実ではありませんが、真横から見た可能性は低そうです。

既知生物の誤認であればザトウクジラ推しでいきますが、海の男たちの知識を信用し、シーサーペントと考えたほうがロマンがありそうです。

尚、ロトマハナ・シー・サーペントが目撃されたのと同時刻にネーピアで地震が観測されており、深海に生息していたシーサーペントが浮上したのではないか?という説もあります。

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