■太陽の熱で溶ける半透明のブロブ ~ 竹東湖モンスターゼリー (タケジャッシー)
2010年6月、中国浙江省 (せっこうしょう) にある竹東湖 (ちゅーどんこ) で謎の生物騒ぎが起きました。
地元の男性が同湖に釣りに出かけると湖に半透明で楕円形のゼリー状の生命体がいるのを発見したのです。
実はこの男性、その2週間ほど前にこの湖に訪れた父からこの未知の怪物について話を聞いていたそうです。
モンスターゼリーは拳大のものからバスケットボール大のものまでさまざまでした。
7月になるともっと巨大なものが現れ始めました。
初めの目撃通り、モンスターゼリーのほとんどは楕円状でしたが、目撃者のひとりによれば最大のものは直径1メートルもあったと証言しています。
湖のすぐそばに住んでいる90歳の男性も、今までこんなものを見たことが無いと驚きを隠せませんでした。
モンスターゼリーは体表中に小さな目を持つといい、独特の感触ながら手でちぎることが出来るほどの固さで、何よりも驚くのが太陽光を浴びると溶けて消えてしまうということでした。
地元住民たちはふだん洗濯などのためにこの湖に訪れていたといい、正体不明の生命体、モンスターゼリーそのものと、またそれらによる水質の悪化を恐れ近づくものはいなくなったといいます。
(問題のモンスターゼリー、ん?オジャッシーじゃん)
(image credit: 每日頭條)
そのためこの怪物を調査するため湖に専門家が派遣されました。
専門家の最初の見解は「カエルの卵」でした。
しかしこれがカエルの卵だとしたらあまりに多過ぎますし、そもそもカエルの卵にしては一粒一粒が大き過ぎました。
そこで次に提案されたのはクラゲです。
淡水にクラゲが?と思う人もいるかもしれませんが淡水に棲息するマミズクラゲ (Craspedacusta sowerbyi) がいます。
但し、傘の直径は1~2センチ程度のとても小さなクラゲです。
モンスターゼリーとは形状も大きさも違い過ぎる上、さらに言えばモンスターゼリーは遊泳能力を持たず浮かんでいるだけです。
クラゲ説も否定されました。
次に出された提案が「太歲 (たいさい)」
この太歲は木星であったり伝説上の食べると不老不死になると言われる未確認生物を意味している場合もありますが、ここでいう太歲はマンネンタケの一種かもしくは霊芝 (Ganoderma lucidum) をおそらく指しています。
(伝説の未確認生物、太歲 (肉靈芝))
(image credit: YouTube/傑斯特Jester)
まあこれは伝説の未確認生物の意味合いを込めての発言でしょう。
もちろん太歲説も却下。
そこでやっと正解に辿り着きました、オオマリコケムシ (Pectinatella magnifica) です。
日本のUMAファンでしたらオジャッシーと同じ、見ただけで瞬殺できる生物ですが、中国では特定に随分と時間がかかったようです。
発見場所の竹東湖とオジャッシーにちなみタケジャッシー (Takejassie) と呼んでおきましょう。
太陽の熱で溶ける、というのはおそらく干からびて萎んだのをそう勘違いしただけではないかと思います。
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