■「カオヲヒッカクモノ」 ~ ムノチュワ
今回はムノチュワ (Muhnochwa)。
ムノチュワはインド、ウッタル・プラデーシュ州のアラーハーバード (プラヤーグラージ) で2002年に爆発的に目撃・報告されたUMAです。
ムノチュワはヒンディー語で「顔を引っ掻くもの」を意味し、直訳し英語で「フェイス・スクラッチャー (face scratcher)」とも呼ばれます。
その名の通り人間の顔に張り付き顔を引っ掻きますが、夜行性であり就寝中に襲い掛かるためムノチュワの姿が目撃されることは滅多にありません。
被害者が目覚めると顔には灼熱の痛みを伴う引っ掻き傷が残っているといいます。
ムノチュワの襲撃の報告数は膨大であるにもかかわらず、その姿がかなり不明瞭なのは、この夜間の睡眠時に襲撃する習性が大きく起因しています。
運よく (?) 目撃したとしてもインドの寂れた田舎町の夜はとても暗く、はっきりとその姿を確認できなかったからでしょう、報告される姿は目撃者によってバラバラです。
しかし一般的にムノチュワの全体像は昆虫的であると考えられており、さらにサソリ等の鋏角類 (きょうかくるい) の特徴も兼ね備えるといいます。
飛翔する、生物発光をする、といった証言も多く、これらも昆虫的な特徴です。
このことから、いずれにしても小柄な節足動物タイプのUMAと考えるのが自然かもしれません。
但し前述の通り目撃証言でその姿が全くバラバラです、これはそれぞれが異なる生物を目撃したにもかかわらず、全てひとつの生物 (今回でいえばムノチュワ) に集約しているときの特徴です。
それどころか伝えられる姿は既にハイブリッド化 (もしくはキメラ化) している可能性があります。
例えば、ガ (蛾)、ホタル、サソリの3種を3人の人物により「ムノチュワ」として認識 (目撃) された場合、その各々の生物の特徴がキメラ化され「飛翔し生物発光するサソリに似た生物 = ムノチュワ」が出来上がるといった感じです。
また、ムノチュワを新たなUMAと考えない説もあります。
ウッタル・プラデーシュ州と接するデリー準州のニューデリーでは前年にモンキーマンが大暴れしましたが、ムノチュワとモンキーマンを同一とみなす考えです。
これはニューデリーとアラーハーバードが地理的に比較的近いこと、モンキーマン旋風の吹き荒れた2001年の翌年にムノチュワの騒ぎが起きていること、いずれの事件も目撃情報が多いにもかかわらずその正体像が不明瞭であり、集団ヒステリーによる妄想が創り上げたUMAである可能性が高いこと、等がその理由でしょう。
特に「顔を引っ掻く」という特性から、就寝中に既知の生物 (小柄な節足動物) に顔を咬まれたり刺されたものは (先入観から) 全てムノチュワの仕業と思い込んでしまった可能性も考えられます。
実際のところムノチュワとモンキーマンは写真等の物的証拠が無く具体的な比較ができない以上、両者が同一かどうかは判断のしようはありませんが、いずれも集団ヒステリーの産物であった可能性は否定できないでしょう。
(球電)
また自然現象説もあります。
代表的なものとしては黒犬と同様、「球電」現象の可能性があるといわれていますが、球電は頻繁に起こる現象ではなく、というか超絶レアな自然現象であり、ムノチュワの膨大な目撃数を考慮するとその可能性は低そうです。
但し、膨大な目撃の中には球電も一部含まれている可能性はあるかもしれません。
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ムノチュワって大体特徴で紹介される情報がバラバラですけど、やっぱりここでも聞いたことのないムノチュワが紹介されている…
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