このブログを検索

2024年7月15日月曜日

スペインのアステカ侵攻から目撃が続く謎の大型ネコ科動物 ~ オンザ


■謎のネコ科動物の剥製も存在 ~ オンザ

今回はオンザ (Onza)、スペインがアステカを侵略した16世紀初頭から知られている大型ネコ科動物系のUMAです。

侵略したスペイン人たちはこの地の私設動物園で飼育されている、アステカ語で「クイトラミツリ (クイトラミスリ, Cuitlamiztli)」と呼ばれる謎の生物を目撃します。

非常にピューマに似た動物だったといいます。

メキシコにはピューマ (Puma concolor)、ジャガー (Panthera onca) の2種の大型ネコ科動物が棲息しています。

動物の分類も今ほどではなかった16世紀ですし、さらに未知の大陸で目撃した動物、ピューマに似ていたのではなくピューマだったのではないか?という疑念が湧きます。

しかし、ピューマもジャガーも知る現地の人々がクイトラミツリと区別していることから別種であること間違いないでしょう。

ただ気になるものがいます、ジャガランディ (Herpailurus yagouaroundi) です。

(ジャガランディ)
(image credit by Wikicommons)

ジャガランディはピューマに近縁の中型のネコ科動物で、この生物もまたメキシコに棲息しています。

ピューマより小型なら違うんじゃないの?と信じたいですが、現地でクイトラミツリと同義で使われている「クアウミスリ (cuauhmiztli)」という単語はジャガランディを指すというのです。

オンザの存在を難しくしているのはピューマ、ジャガーと身体的にどう違うかがはっきりと明示されていないからです。

取り敢えず、オンザとはピューマ、ジャガーとは異なる見た目をしている大型ネコ科動物と考えてみましょう。

オンザは曖昧な存在ですが、現地の人々がオンザのもの呼んでいる剥製が存在するため、そちらを考察する方がいいでしょう。

なにせ現地の人々がピューマ、ジャガー、そしてジャガランディとも異なる生物と認識しているのですから。

(射殺されたオンザ)

その剥製は1986年1月、農場主アンドレス・ムリーロ (Andres Murillo) 氏によって射殺されたものです。

ムリーロ氏によればその生物は自分を襲ってきたといい、ジャガーだと思って射殺したらそうではなく、伝説のオンザだったというのです。

体長1.1メートルに対し、体重は27キロとかなりほっそりとした体形、

その死体はやはり見た目はピューマによく似ています。

しかし調査したところ、細身ではあるものの骨格的にはピューマよりもがっしりしており、歯並びにも相違がみられたいいます。

そしてかなり曖昧な情報ではありますが、この剥製はネコ科動物であるにも関わらず爪を出し入れできなかったといいます、

これはネコ科動物で唯一チーター (Acinonyx jubatus) だけが持つ特徴です。

そのせいもあるのかどうか分かりませんが、オンザの正体のひとつとしてアメリカチーター (Miracinonyx) 生存説があります。

その名の通り北米に12000年前まで棲息していたアメリカ産のチーターです。

しかし残念ながらアメリカチーターは爪の出し入れが可能であり、万一生存していたとしても特徴が異なります。

さて剥製の話に戻りましょう、このオンザのものといわれている剥製は実はDNA鑑定されており、遺伝子的に若干の差異は見られるものの、先天的に異常のあったピューマと断定されています。

ピューマとジャガランディはチーターに近縁という説もあり、爪の出し入れができなかったオンザの死骸も関係しているかもしれません。







0 件のコメント:

コメントを投稿