■ユートピア湖の怪物 ~ オールド・ネッド
今回はカナダ、ニュー・ブランズウィック州にある湖、ユートピア湖 (Lake Utopia) に棲息するUMA、ユートピア湖の怪物 (Lake Utopia monster)。
オールド・ネッド (Old Ned) という愛称を持ち、おそらく日本でチピトカーム (Tciptckaam) と呼ばれるUMAと同一ではないかと思います。
ユートピア湖は全長7キロ、最大幅2.8キロのやや細長い形状の湖です。
先住民族ミクマク族 (Mi’kmaq) から伝わるレイク・モンスターで最低でも19世紀、おそらくそれ以前の18世紀から目撃が続いています。
オールド・ネッドは一般的に巨大なウナギのような姿をしているといわれており、その長さは12~30フィート (約3.6~9メートル)、頭部はウマほどもあり (もしくはウマに似ているとも)、口内には鋭い歯が並んでいるといいます。
ユートピア湖は先住民族の言葉で「ウナギの川」を意味するマガガダビック川 (マガグアダビック川, Magaguadavic River) を介し、パサマコディ湾 (パサマクォディ湾, Passamaquoddy Bay) と繋がっています。
ユートピア湖から海までの距離がとても短いことから誤って遡上した海洋生物がユートピア湖に辿り着き、それを目撃したことにより怪物騒ぎが起きているという説もあります。
実際、1868年、ニューヨークの政治雑誌ハーパーズ・ウィークリーにパサマコディ湾で謎の巨大魚が殺されたという記事が掲載されたこともあり、ユートピア湖の怪物との関連性が囁かれたといいます。
同誌にはその謎の巨大魚のイラストが掲載されました。
後肢をもつ7~8メートルほどもある奇妙な魚ですが、サメやエイの特徴であるスリット状の鰓孔 (えらあな) が並んでおり、その姿・大きさから判断してウバザメ (Cetorhinus maximus) であることは確実でした。
イラストに後肢が描かれているのはデフォルメされた可能性も捨てきれませんが、おそらくは生殖器を見誤ったものでしょう。(サメやエイは生殖器が1対2本あり、たびたび足と誤認される傾向があります)
さて正体はなんでしょう。
ユートピア湖に繋がっているのは大西洋ですが、カナダの太平洋沖で目撃される代表的なシーサーペント、キャドボロサウルス (キャディ) とも共通点があります。
遡上した大西洋版キャディでもいいですが、現実的なところではやはり巨大に成長したチョウザメが候補に挙がっています。
もう少し夢のあるものでは目撃通りの巨大なウナギであるという説、またありそうにもないですが、リュウグウノツカイ (Regalecus russelli) がユートピア湖まで遡上すればきっと怪物騒ぎが起きたに違いありません。
(参照サイト)
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