■ウソから誕生したUMA ~ スクヴェイダー (スクベイダー)
北欧スウェーデンのUMA、スクヴェイダー (Skvader)、剥製も存在します。
お伽話に出てきそうないかにもヨーロッパ的なウサギ系のUMAで、ドイツのヴォルパーティンガー (Wolpertinger) とかなり似ています。
1874年、ホーカン・ダールマルク (Håkan Dahlmark) なる男性が、スンツヴァル (Sundsvall) にあるレストランでスクヴェイダーを狩猟中に撃ったと主張したことからこのUMAの伝説は始まります。
ダールマルク氏が撃った生物は野ウサギに似ているものの体はライチョウのような羽毛に覆われているという奇妙な生物でした。
実際、地元の博物館に展示されているスクヴェイダーの剥製はこのダールマルク氏によって射殺されたものといわれており、その存在は確実のようにも思えます。
しかしこの時系列は実際は逆で、展示されている剥製はダールマルク氏の死後「作成」されたものです。
スクヴェイダーはダールマルク氏がレストラン客を楽しませるため、何度も話したことで有名となりましたがこれは全くのジョークでした。
1907年の彼の誕生日にはサプライズで家政婦の甥が描いたスクヴェイダーの絵がプレゼントされました。
それから5年後、ダールマルク氏は地元の博物館にこのスクヴェイダーの絵を寄贈します。
(博物館に展示されているスクヴェイダーの剥製)
(image credit by Wikicommons)
すっかり有名な存在となっていたスクヴェイダー、その絵を寄贈された博物館のオーナーはどうにかこれを「実在化」したいと思い、剥製師のルドルフ・グランベルグ (Rudolf Granberg) に依頼し完成されたものです。
この剥製はヨーロッパノウサギことヤブノウサギ (Lepus europaeus) とヨーロッパオオライチョウ (Tetrao urogallus) のメスを掛け合わせて作ったものです。
そして実在する動物のようにラテン語による学名、Tetrao lepus pseudo-hybridus rarissimus L も与えられました。
とんでもなく長い学名ですが、これは「非常に珍しいライチョウとウサギの疑似ハイブリッド」といった意味で、無理やり和名にすれば「キチョウニセウサギライチョウ」みたいになるでしょうか。
完成したのは1918年、ダールマルク氏が亡くなって6年後のことでした。
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