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■ゴム長靴のキトン ~ オオバンヒザラガイ
こいつはなんでしょう?
一緒に写っている手の大きさから判断すると体長25~30センチぐらいありそうです。
分かる人には瞬殺かもしれません。
アワビ?
確かに裏返したでっかいアワビみたいな感じですが、アワビにしてはでっかすぎませんか?
これはヒザラガイの仲間の最大種、干からびたオオバンヒザラガイ (Cryptochiton stelleri) のようです。
(image credit by Waterbody)
xヒザラガイの仲間は英語でキトン (chiton (発音は「カイトン」)) と呼ばれますが、オオバンヒザラガイは「ゴム長靴のキトン (Gumboot chiton)」と呼ばれ、最大で30~40センチに成長します。
背面はまるで三葉虫の体節を思わせる多数 (8枚) の装甲板が並んでいることから多板綱 (たばんこう) と呼ばれる仲間に分類され、姿こそ似ているもののアワビ等 (腹足綱) とは別のグループで、すべてが海生です。
オオバンヒザラガイは他のヒザラガイの仲間と異なりこの装甲板が皮膜で覆われほとんど外側から確認できません。
(ヒザラガイの一種)
属名の「クリプトキトン (Cryptochiton)」とは「隠されたキトン」の意で、オオバンヒザラガイが被膜で装甲板が見えない (隠されている) ことに由来しているものと思われます。
ちなみに種小名の「ステレリ (stelleri)」はステラーカイギュウを発見したことで有名なゲオルク・ヴィルヘルム・シュテラー (Georg Wilhelm Steller) 博士に献名したものです。
(シュテラー博士については「シュテラーもうひとつの大発見 ~ ステラーウミザル」の記事をどうぞ)
でかくなるだけあって寿命は40年以上、天敵も少なくかなりの長命です。
岩にへばりついて藻などを食べていますが、オオバンヒザラガイはヒザラガイの仲間としては吸着力が弱いらしく岩から剥がれ、砂浜に打ち上げられることも多いとか。
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