■ワニとチンパンジーのハイブリッド!? ~ ハニー・アイランド・スワンプ・モンスター (ハニー・スワンプ・モンスター)
今回はハニー・スワンプ・モンスター (Honey Swamp Monster) ことハニー・アイランド・スワンプ・モンスター (Honey Island Swamp Monster) です。
まず呼び名についてですが、日本ではハニー・スワンプ・モンスターの方が通りがいいように感じます。
実際は、アメリカ、ルイジアナ州東部、セント・タマニー教区のハニー・アイランド・スワンプ (ハニーアイランド沼/ハニーアイランド湿地帯) で目撃されることに由来するため、本来ハニー・アイランド・スワンプ・モンスターという呼び名が正しく、本国ではハニー・スワンプ・モンスターと呼ばれることはありません。
真相は分かりませんが、ハニー・アイランド・スワンプ・モンスターという名前はあまりに日本人にとって長すぎると考え、「アイランド」部分を省略しUMA本に掲載したのではないでしょうか。
実際長いですしね、本国でももちろん長いと捉えられている節はあり、"Honey Island Swamp Monster" の頭文字で "HISM (or H.I.S.M)" と略して呼ばれる場合もあります。
っと、まぁ、ここら辺はみなさんはあまり気になりませんかねw
(ハニー・アイランド・スワンプ)
(image credit: Wikicommons)
それではハニー・アイランド・スワンプ・モンスター (以下、HISM) を見ていきましょう。
HISMは前述した通りハニー・アイランド・スワンプで目撃されましたが、このハニー・アイランド・スワンプは最大長20マイル (約32キロメートル) に及ぶ細長い形状の湿地帯で、面積約7万エーカー (280平方キロメートル) ほどもあります。
大きさ的にはとてつもなく大きいわけではありませんが、原生林がそのまま手つかずで残されており、場所によっては鬱蒼としたジャングルのようで、ここが本当にアメリカ?といった感じです。
こういった環境であることから先住民族の時代から怪物の噂や地元の人々によるパラノーマル (ゴースト、生物) な噂もありましたが、HISMはおそらくそれとは関係なさそうなので切り離して考えます。
この湿地帯の「ハニー (蜂蜜)」という甘ったるい名前は、この地域でかつて多くのミツバチの群れが見られたことに由来しています。
養蜂場 (ようほうじょう) ともなると、その集められた蜂蜜の臭いで甘い香りがするとも言われ、もしかするとハニー・アイランド・スワンプも場所によってはその名からイメージされる通り、あま~い香りが漂ってくる地域もあったかもしれませんね。
(ハーラン・フォード氏とHISMの石膏の足型)
さて、HISMが初めて目撃されたのは1963年のこと、アメリカ連邦航空局の航空管制官の2人、ハーラン・フォード (Harlan Ford) 氏とビリー・D.ミルズ・シニア (Billy D. Mills, Sr.) 氏がハニー・アイランド・スワンプ上空を飛行中にキャンプができそうな場所を見つけ、そこでキャンプをするようになったことが発見 (目撃) のきっかけです。
フォード氏は引退後、この場所を気に入り何度も訪れていたといい、彼の証言によればHISMの身長は7フィート (約2.1メートル)、全身が黒毛で覆われており、特に頭部の毛は長くフサフサしていたといいます。
当初はアメリカグマ (Ursus americanus) と認識したものの、振り向くと目は「琥珀色」で、顔つきは非常に人間に似ていたことからその考えを改めました。(ハニー・アイランド・スワンプにはアメリカグマの亜種、ルイジアナクロクマ / ルイジアナアメリカグマ (Ursus americanus luteolus) が棲息しています)
(ルイジアナクロクマ)
(image credit: Wikicommons)
そして例えこの地域が蜂蜜の甘い香り包まれていたとしてもそれを帳消しにし余りあるほどの強烈な悪臭を放っていたといいます。
この怪物遭遇事件は大きなニュースとなり全国的に知れ渡ることになります。
特にフォード氏は積極的にテレビ出演しHISMについて語ったことから、当時モンスターハンターたちがこの地に多く訪れたともいわれています。
一方、地元の人々はフォード氏の発言を快く思っていなかったともいわれ、怪物騒ぎは自信に注目を集めるための完全にデマ、もしくはフォード氏自身らが見つけたキャンプ地を独占しようとし人々が近づかないよう恐ろしい怪物騒ぎを吹聴した、などといわれました。
後者が目的だったとしたら完全に逆効果だったことになりますね。
住民たちの考えの真偽、フォード氏の発言の真偽、これらは現在となっては知る術がありません。
フォード氏はこの騒ぎの中、1980年に亡くなっているからです。
但し、彼の死後、遺品整理をしていた妻イヴォンヌ氏は屋根裏からフォード氏が撮影した (と思われる) HISMの8ミリビデオや、HISMの石膏で作った足型、それにHISMとの遭遇記録の文章が発見されました。
フォード氏はHISMの件で注目されたことにより多かれ少なかれ世間では叩かれており、嫌疑を晴らすためにもこれらの証拠を発表しないまま亡くなったことは不思議に思われています。(さらに叩かれることを恐れたのかもしれません)
石膏で型撮りされた足型は「(霊長類 + 爬虫類) ÷ 2」と表現され、4本指 (爪) のやや細長い形状をしています。
こういったことからもHISPは (生物学的にあり得ませんが) チンパンジーとワニ (おそらくアメリカワニ Crocodylus acutus) の交配から生まれた怪物、なんていう陰謀論的な噂もあります。(※ハニー・アイランド・スワンプにはアメリカワニが棲息しています)
尚、湿地帯に残された足跡の近くに首を掻き切られたイノシシの死骸が見つかったこともあり、怪力で獰猛なUMAではないかと考えられています。
いずれにしても現在ではハニー・アイランド・スワンプの観光ツアーではツアーガイドが観光客に向けて必ずといっていいほどHISMについて語るということから、今後も忘れ去れれることなく語られ続ける愛すべき存在であることは確かなようです。
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