■数日間だけ目撃が集中した首無しモンスター ~ グラフトン・モンスター
今回はアメリカ、ウエストバージニア州のグラフトン (Grafton) で目撃された一風変わった獣人系UMA、グラフトン・モンスター (Grafton monster) です。
1964年6月16日、午後11時、新聞社グラフトン・センチネルに務めるロバート・コックレル (Robert Cockrell) さんは仕事を終えて車での帰途の最中、巨大なヒューマノイド (人間のような姿をしたもの) を目撃します。
体長は7~9フィート (約2.1~2.7メートル)、肩幅は4フィート (約1.2メートル)、真っ白な肌をしており、なによりも驚いたのは肩の上に頭部がなかったことです。
車に乗っているとはいえ恐怖を覚えたコックレルさんはそのまま車を走らせ急いで家に帰りました。
家に着いてから友人ふたりに連絡を入れ、彼らと共にその怪物がいた場所にもう一度訪れると、さっき怪物がいたあたりの草むらは踏みにじられていました。
コックレルさんは目撃した自分自身ですらその生物の存在が信じられず、翌日、会社の同僚にはその怪物の話はしませんでしたが、その怪物の目撃証言の噂を知り自らの遭遇体験を翌日の18日に自社グラフトン・センチネルの新聞記事として掲載しました。
新聞に掲載したことにより多くの目撃証言が寄せられ、その反響はすさまじく少年たちがモンスター狩りをしに森に探索に出かけるほどだったといいます。
しかしはっきりとした目撃情報はコックレルさんの目撃した同日のものであり、その後の目撃は多数寄せられたものの決定的なものはありませんでした。
そしてその後、グラフトン・モンスターの噂は立ち消えてしまいました。
頭部がないUMAといえば同州のポイントプレザントで目撃されたモスマンが有名です。
モスマンが目撃されたのはこの2年後の1966年であり、地理的にも時期的にも近いことから同じUMAの可能性はあるでしょうか?
首のないヒューマノイド体型という点は共通点がありますが、モスマンの体色が漆黒であるのに対しグラフトン・モンスターは真っ白であり、またモスマンが飛翔系UMAであるのに対しグラフトン・モンスターに翼のようなものは見られず、飛翔しているのも確認されておらず、典型的な獣人系UMAのようで、おそらく別物でしょう。
では一体なんだったのか?
モスマンと比較すればグラフトン・モンスターは実在した可能性が高いように思えます。
頭部の有無は取り敢えず無視するとして、獣人の誤認はクマである可能性が非常に高く、白い肌 (毛皮) ということであればホッキョクグマ (Ursus maritimus) がその候補となります。
しかし、ウエストバージニア州はホッキョクグマ (Ursus maritimus) が生息するにはあまりに南過ぎます。
グリズリーやヒグマ、ツキノワグマ等のアルビノ個体、もしくは個体差で特に白っぽい毛をしたクマだった可能性が候補として挙げられます。
もうひとつの候補として皮膚病に罹り毛が抜け落ちてしまったクマも入れておきましょう。
頭部がないのは、やや前傾姿勢になることにより頭部が前方下部に来て胸のあたりにあるためシルエット的に頭部が無いように見えた可能性があります。
後ろ向きであれば特にそのように見えるかと思います。
ちなみに大騒動の発端となった記事を掲載した翌日の19日、「箱を高く積み重ねて手押し車を押していた人物」を誤認した可能性がある、とグラフトン・センチネル紙は追加記事をあげました。
このグラフトン・モンスターは1964年に目撃されたものだけを指していますが、実は細々と目撃情報は続いており、2000年以降も目撃が報告されています。
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