■丸い足跡を残す獣人 ~ ペ・デ・ガラファ (ボトル・フット)
今回はペ・デ・ガラファ (Pé-de-garrafa)。
南米ブラジルの獣人系UMAで、同じくブラジルのUMA (特にブラジル南部のパラナ州)、マピングアリと同一視する説もありますが、いわれるほど共通点がない、というよりむしろ全く異なる性質を持っており、同一視される理由がよく分からないぐらいなので別物として紹介します。
まあ純粋なUMAというよりは民間伝承的な側面が強く、アメリカのフィアサム・クリッターに近い存在といえます。
さてこのペ・デ・ガラファ、ポルトガル語で「瓶の足」を意味し、英語に直訳しビッグフット風にそのままボトル・フット (Bottle foot) と呼ばれる場合もあります。
ペ・デ・ガラファは体長5フィート (約1.5メートル) の小柄な獣人で、諸説はあるもののヒューマノイド体型、つまり全体的なシルエットは人間に近いともいわれています。
全身は深い毛で覆われており、体毛は真っ黒とも真っ白ともいわれ、腹部に大きな白いヘソ、額には短い角を一本持つといわれています。
なんといってもその特徴はその名が示す通り、まるで瓶を地面に強く押し付けたかのような丸く深い足跡を残すことです。
その足跡は二足歩行する動物の足跡が左右交互に残されるものとは違い、一直線上に等間隔で残されるのも特徴の一つです。
そのため、ペ・デ・ガラファは二本足ではなく一本足だという説もあり、腕も一本、目も一つと、もはや妖怪レベルの姿で描かれることもあります。
他にも足は一本、腕は2本といったものや、とにかくその組み合わせでバリエーションは豊かです。
また小柄ですが彼らが残す円形の足跡はとても大きく、体に比して足はとても大きいようです。
その不気味な姿に反して、基本的には憶病な性質で目撃されることは滅多にないといいます。
但し、決して人間に対してフレンドリーな性質ではなく、もしも遭遇してしまった場合には彼らの弱点であるヘソを狙えばいいといわれています。
ここを狙ってくれとばかりに、弱点のヘソが白くかつ大きいのは滑稽なところですね。
さて、冒頭で触れた同一視されるUMA、マピングアリも霊長類的な獣人と絶滅した地上棲の巨大ナマケモノの2タイプがありますが、いずれにしてもペ・デ・ガラファとは似ていません。
マピングアリよりもさらに民間伝承的な存在であり、実在する生物と考えるのは困難ですが、唯一UMAとしては現実的なのはその大きさです。
真面目にペ・デ・ガラファの実在を考える必要はないかもしれませんが、一本足・一本腕・目が一つ、なんていう説を排除して小柄な獣人と考えれば荒唐無稽な存在ではありません。
目撃者も存在することから何かしらを見ていることは確かで、南米ブラジルということを考慮するとクモザルの仲間を誤認している可能性はゼロではないでしょう。
イスナチを紹介した時にも触れましたが、クモザル科の最大種、ウーリークモザルのキタムリキ (Brachyteles hypoxanthus) を候補に挙げておきましょうか。
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