■しつこくまとわりつく白目のない黒い目の子供たち ~ ブラック・アイド・キッズ
今回はブラック・アイド・キッズ (Black eyed kids)。
アメリカの都市伝説に「ブラック・アイド・チルドレン (Black eyed children)」というのがあります。
青白い肌をした子供で、その名の通り、白目や瞳孔が無く、目が真っ黒なのが特徴です。
比較的新しめの都市伝説で、1990年代のいつからか始まったと考えられています。
さて、今回ブラック・アイド・キッズはブラック・アイド・チルドレンのブリティッシュ・バージョンといえるもので、しかも2009年というかなり近年に目撃されたものです。
それでは見ていきましょう。
北アイルランド、ベルファスト近郊のリスバーンに住むキャリス・ホールズワース (Carris Holdsworth) という名の18歳の女性が目撃したものです。
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午前10時45分頃のことでした。
当時私は18歳であまり治安のよくない地域でアパートを借り、一人暮らしをしていました。
そのため、その日、家の近くで見慣れない2人の少年が立っているのを目撃しただけで不安な気持ちになりました。
ひとりは16歳ぐらい、もうひとりは13~14歳ぐらいといったところで、彼らは私に背を向けて立っていました。
ところが彼らの後ろを静かに、そして足早に通り過ぎようとした瞬間、彼らはまるで私がそこを通るのを予知していたかのように同時にくるりと振り向いたのです。
彼らをひと目見て、すぐに恐怖が沸き上がりました。
私は彼らから数ヤード離れたところで立ち止まり、カバンの中に手を入れ催涙スプレーを強く握りしめました。
彼らが少しでもおかしな素振りをしたら、身を守る準備は整っていました。
しかし、彼らは手荒なことはせず、それどころか私が今何を考えているのかを完全に把握しているようでした。
『そんな準備をする必要はないですよ、僕たちはあなたの電話を借りたいだけなんです、お嬢さん』
ふたりはこの辺をうろついてる他のティーンと一見変わりなく、パーカー、ジーンズ、汚れたスウェットを身に着けていましたが、年長の少年が話している間、彼の目を見て自分が彼らに対する恐怖の原因が分かりました。
彼の目は真っ黒で、白目も瞳孔もなかったのです。
私は息をのみ、危険が差し迫っていることを直感し『逃げなければ』と思いました。
とにかく一刻も早く自分のアパートに戻らなければ。
私は彼らの話を無視し、無言で足早にアパートへ向かいながら、カバンに手を入れ素早く玄関の鍵を探りました。
『お嬢さん、お願いです。僕たちの居場所を知らせないと母親が悲しむんです』
年下の少年が私の背中に向かって話しかけてきました。
まだ二人は子供で、彼らの願いを聞き入れてあげたいという気持ちもありましたが、彼らの目はそういった考えを吹き飛ばすほどの恐怖を私に与えました。
逃げなければきっと後悔する結末が待ち受けている、私はそう直感していました。
『ごめんなさい、わ、わ、私は、、、』
恐怖でうまく話すことができず、私は彼らの要求を断り、急いでアパートへ戻ると素早くドアを開け部屋へ滑り込みました。
部屋へ入って少しは安心したものの、心臓はまだ激しく鼓動を打っており、震える手でコーヒーを淹れ、ソファに座りテレビをつけ落ち着こうとしました。
彼らのことを振り切ったものの、彼らがまだそこにいるのかが気になって仕方ありませんでした。
『コン、コン、コン』
ドアをノックする音が聞こえました。
無視していたものの、ドアは何度もノックされました。
私はそっと玄関に忍び寄り、ドアスコープ (のぞき穴) から外を見ると、彼らはまだそこにいました。
しかもふたりは真っ黒な目でドアスコープ越しにニヤニヤしながらこちらを見つめていたのです。
圧倒的な恐怖に包み込まれました。
そして、彼らは私がドアスコープ越しに覗いていることを見抜いており、話しかけてきたのです。
『お嬢さん、決してあなたを傷つけるつもりはありません、誓います』
あれほど恐怖を感じていたにも関わらず、あまりの理不尽さに怒りのほうが上回り、私はドアを開け彼らに向かって叫びました。
『なにが目的なの!?』
『ですから携帯電話を使わせてほしいだけなんです』
年長の子がそう答えました。
『断るわ!』
『電話を借りたいだけなんです、家に入れてください。僕たちはあなたを決して傷つけませんし、危害を加えるようなものも所持していません』
『早くここから立ち去って!』
私はそう叫ぶと、玄関を勢いよく閉めました。
ドアスコープからもう一度彼らを眺めると、まだ彼らはそこにいましたがもうニヤついていませんでしたし、何も言ってきませんでした。
私は急いで部屋中のすべての窓の鍵が施錠されているか確かめ、女友達に電話をかけ今起きていることを話し、家に来てくれるよう頼みました。
友人は10分後に到着しました。
彼女が来てくれて思わず安堵で彼女を抱きしめました。
その少年たちはアパートの近くにまだいたものの、友人を見ると立ち去ったということです。
もう私は引っ越しをしリスバーンに住んでいませんが、いまだに寝る前は必ずドアスコープで外を確認しています。
彼らが何者だったかは分かりませんが、彼らが私に確実に危害を加えようとしており、そして人間ではなかったと確信しています。
今でも思い出すと怖くなります。
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