■「不快な水棲生物」ただの一度の目撃 ~ シルワネ・マッツィ
今回はシルワネ・マッツィ (Silwane Mazzi)。
南アフリカ共和国東南部のクワズール・ナタール州で目撃されたという恐竜系UMAです。
1937年、アレコ・リリウス (Aleko Lilius) という名の人物によって、同州のモフォロジ川 (Mofolozi River) の河口付近で目撃されたといいます。
しかし「シルワネ・マッツィ」とは聞きなれない名前です。
海外のUMAであるにも関わらず海外での情報が異常に少なく、もしかして日本限定 (創作) か!?と疑っていたほどです。
しかしこのUMA、アメリカ人小説家・ノンフィクション作家のマイケル・ニュートン (Michael Newton) 氏の著作、「未確認動物学百科事典:隠遁動物のグローバルガイド (Encyclopedia Of Cryptozoology: A Global Guide To Hidden Animals)」で取り上げられたもので少なくとも日本オリジナルではないようです。
それでは見ていきましょう。
まずはこのシルワネ・マッツィという名前、バントゥー語で「不快な水棲動物」を意味するといいますが、一般的には「ワニ (クロコダイル)」を指す言葉だといいます。
まあワニは危険な水棲生物であり「不快な水棲生物」という意味で呼ばれていも不思議ではありませんから、どちらの意味を含有していても特におかしくないでしょう。
同様に「シルワネ・マッツィ = 不快な水棲生物」という捉え方をすれば、広義に (危険な) 水棲UMA全般を指しても不思議ではありません。
ということでワニを指す言葉でUMAを呼んでいたとしても問題ないと解釈します。
ただ少し調べたところ、シルワネ (Silwane) はズールー語で単に「動物 (animal)」を指す単語のようでバントゥー語なのかは確実ではありませんでした。
ま、ズールー語はバントゥー語系の言語のようなので大きな違いはないのかもしれません。
ちなみに「マッツィ (Mazzi)」の意味は分からずじまいでした。
さて話を進めましょう。
目撃者のリリウス氏によればシルワネ・マッツィは河口にいたといい、その表現から水中にいるところを目撃したようです。
まあ「不快な水棲生物」と呼ばれているのだから当然ですが水棲UMA (リバー・モンスター) と考えて問題ないでしょう。
(サイの足跡)
(original image credit: Wikicommons)
リリウス氏はその生物を目撃した付近を捜索するとシルワネ・マッツィのものと思われる巨大な足跡を発見したといい、それは指が3本、長さが16インチ (約40センチ)、幅13インチ (約33センチ) もあり歩幅は4フィート (約1.2メートル) でした。
未確認動物学者のアイヴァン・T・サンダーソン (Ivan T. Sanderson) 氏はシルワネ・マッツィの正体としてハドロサウルス (Hadrosaurus) の生存説を提唱したといいます。
サンダーソン氏は恐竜系 (翼竜・巨大海生爬虫類含む) の生存説を好むので言いそうではありますが。
さてこの足跡、長さも幅が4:3ぐらいの比率で大きな円形に近い楕円ということ、そして指が3本ということからサイの足跡ではないかともいわれています。
シルワネ・マッツィの目撃はこの時のリリウス氏のただ一度の目撃のみ、その容姿についての記述もなく謎中の謎のUMAです。
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本だと「マッツィ」で書かれていたのですが、海外の一部Webページだとアレコ・リリウスさんが見た生物が「ツノがあり二足歩行、魚食で海に逃げた」と詳細に書かれ名前を「シルワネ・マンジ」と紹介されていることがあり、manziだとズールー語では「濡れた」で由来として語られている水棲生物に近いですし、もとはマンジだったのかもしれません。これがマッツィになったタイミングがニュートンさんなのかサンダーソンさんなのか、それともアレコ・リリウスさんが複数回別の内容・別の人に報告していたのかは不明ですが
返信削除コメントありがとうございます。
削除名前については伝言ゲームでズレていった可能性も考えられますね。特に英語ではないため、英語圏の人が効いた場合、音感でスペルも変化することもありますしね。