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2024年11月6日水曜日

謎のクロヒョウ ~ ンダラウォ


■謎のクロヒョウ ~ ンダラウォ

今回はアフリカの大型ネコ科動物系UMA、ンダラウォ (Ndalawo)。

ンダラウォが目撃されるのは東アフリカのウガンダ共和国、その姿は簡単に表現するとクロヒョウです。

クロヒョウはヒョウ (Panthera pardus) のメラニズム (黒化個体) を指しますが、アジアでは珍しくなく、特にマレー半島ではクロヒョウの方が圧倒的に多いといわれています。

(クロヒョウ)
(image credit by Wikicommons)

一方、今回の舞台であるアフリカではクロヒョウはほとんど存在しないといわれています。

そういった背景もあり、アフリカでのクロヒョウの希少性から「ふつうのクロヒョウをンダラウォとUMA扱いしている」という疑念が湧くかもしれません。

実際、ンダラウォの姿はクロヒョウ (もしくはヒョウ) そのものだといい、体長も頭部や四肢の特徴もすべてヒョウに酷似しているといいます。

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「ンダラウォは人間を殺す獰猛な肉食動物であり、姿形はヒョウに似ているが背中は黒く腹部は灰色である」

   (狩猟管理官ウィリアム・ヒッチェンズ (William Hichens) 大尉)

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しかし習性はクロヒョウ (ヒョウ) とは思えない部分が多々見受けられます。

まずンダラウォの体色ですが「全身真っ黒」ではないといい、背中は真っ黒に近く腹部にかけてグレーへと変わるグラデーションカラーで四肢と下顎にはヒョウの斑紋を持ちます

また、ンダラウォは突然変異的なただの一個体だけではなく群れで存在・生活し、また狩りも3~4頭の群れで行うといわれ、単独で狩りをするヒョウとはその習性が大きく異なります。

さらに狩りの際には奇妙な「笑い声」をあげるといいます。

そう、もうお気付きでしょう、見た目こそクロヒョウに近いものの習性はブチハイエナ (Crocuta crocuta) に似ています。

(ブチハイエナ)

(image credit by Wikicommons)

ではンダラウォとはメラニズムのブチハイエナを指しているのでしょうか?

それもあまり考えられません。

ウィリアム・ヒッチェンズ大尉が語ったように、ンダラウォはハイエナより遥かに凶暴で人間を襲う「人喰い」だといい、そもそもいくら毛色が黒く通常よりは見分けがつきにくいとはいえハイエナとヒョウを現地の人々が見誤るとは到底考えられません。

とういわけでンダラウォが実在するとすればそれはメラニズムのヒョウ、つまりクロヒョウであり群れで狩りをする特異な個体群 (亜種)、もしくは新種のネコ科動物ということになるでしょう。

ところでヒョウとジャガー (Panthera onca) はとても似ていますが、英語圏ではいずれのメラニズムもブラックパンサー (Black panther) と呼ばれ、特にアメリカでは断りがない限りブラックパンサーといえばクロジャガーのことを指します。




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