■コールド・レイクの巨大魚 ~ キノスー
カナダ、アルバータ州とサスカチュワン州に跨る大きな湖、コールド・レイク。
アルバータ州で一番面積が広く (373平方キロメートル)、そして深い湖 (最大水深200メートル)で、琵琶湖 (669平方キロメートル) には及びませんが、日本であれば第2位にランクインします。
ちなみに巨大な湖がひしめくカナダでは上位50傑にかすりもしません。
さてUMAの話に移りましょう。
先住民族のクリー族の伝承にこんな話があります。
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湖を隔て交際していた若い男女がいました。
彼らは近々結婚を控えていました。
ある夜のこと、カヌーで対岸に住む女性に会うため男性はカヌーを漕いで彼女の元へと向かっていました。
彼女は男性を出迎えるため湖岸で彼の到着を楽しみに待っていると、彼のカヌーがこちらへ向かっているのが見えてきました。
その時、突如真っ暗な湖から巨大なレイクトラウトが現れ、カヌーに体当たりしてきたのです。
カヌーは真っ二つにへし折られ、男性は湖へ投げ出され、水中へと沈みました。
目の前で起こった惨劇に彼女は何もすることができず、ただ指をくわえて見ているしかありませんでした。
男性が上がってくるのを心配そうに待つ女性。
再び静まり返った夜の湖に、先ほどまで男性の乗っていたカヌーの残骸が浮いています。
しかしいくら待っても、婚約者も巨大魚も二度と姿を見せることはありませんでした。
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この男性を襲った巨大魚をクリー族はキノスー (Kinosoo) と呼びます。
クリー族の伝承では上記のように巨大なレイクトラウト (Salvelinus namaycush) といわれていますが、一般的にその姿はミズウミチョウザメ (Acipenser fulvescens) やノーザンパイク (Esox lucius) のような細長い紡錘形をした魚だといわれています。
(ミズウミチョウザメ)
(image credit by Wikicommons)
この3種はおそらく全てこの湖に棲息していると思われますが、カヌーを壊せるほど大きく成長できるのはミズウミチョウザメのみ、しかし大型になっても凶暴性は全くなく、凶暴性であればノーザンパイクに軍配が上がります。
伝承の内容を話半分として考えれば、キノスーとは巨大なチョウザメの体躯と、ノーザンパイクの凶暴性がハイブリッド化して出来上がった生物かもしれません。
尚、この湖は現在レジャーで賑わっており、この伝説の巨大魚の名をあしらったキノスー・ビーチという場所もあります。
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古代の大型魚の生き残り説とかはどうですか?
返信削除昔、この湖はどっかの川と繋がっていて、その後、閉じ込められた古代魚が生き残っているとかでも面白そうですよね~
コメントありがとうございます。
削除一応チョウザメも古代魚 (生きている化石) に数えられているけど、シーラカンス的 (発見されてない古代魚) なやつのことですよね?
UMAに多い巨大海生爬虫類の生き残り説は厳しいですが未知の古代魚ならまだ可能性はありますよね~