■70メートルの巨大魚が湖に? ~ 鏡泊湖 (きょうはくこ / ちんぽーこ) の怪物
今回は鏡泊湖の怪物 (Jingpo Lake monster)、中国のUMAです。
UMAの話の前に、この湖はどう発音するんだ!?という疑問が湧くことでしょう。
鏡泊湖 を日本ではそのまま音読みし「きょうはくこ」と読みますが、中国語では镜泊湖と書き、実際の発音は衝撃の「ちんぽーこ (ちんぽーふー)」。
日本人限定で衝撃を受ける発音です。
ちなみに土星最大の衛星、タイタンにある液体化水素の湖はこの镜泊湖にちなみ同名の「チンポー湖 (Jingpo Lacus)」と名付けられました。
「ぽー」と伸ばすことで和らぎを感じ素敵な響きになっていますね。
さて鏡泊湖はロシアと国境を接する黒竜江省 (こくりゅうこうしょう) にある湖で、牡丹江市 (ぼたんこうし) 東部に位置し、北朝鮮の国境とも地理的に近い近い位置にあります。
細長く複雑な形状で最大長45キロに対し最大幅は6キロしかありません。
南方が浅く北へ行くほど深くなる特殊な地形の湖で、北方で最大水深62メートルに達するのに対し南方は僅か水深1メートルの場所も存在します。
では鏡泊湖の怪物の話に入りましょう。
この湖で怪物が目撃された最も古い記録は1979年、葛永江という名の人物によるもので体長2~3メートルの生物が泳いでいるのが目撃されました。
この目撃事件以降も特にマスコミによって注目を浴びることはありませんでしたが、観光客による巨大魚の目撃は頻発していたといいます。
本格的に目撃が増え始めたのは割と最近で、2000年には劉栄江という名の人物により7~8メートルの巨大魚が、2006年7月6日には2人の観光客により岸から40メートルほど離れた地点を背中を出して泳ぐ体長20メートルの生物が目撃・動画に収められました。
水上に出ている部分は高さは20センチもあったといい、その生物はゆっくりとした泳ぎで静かに水中に没していったといいます。
専門家によりビデオを解析した結果、その生物は20メートルどころか全長70メートルと推定されました。
(3.7メートルのダウリアチョウザメ)
(image credit: Wikicommons)
ま、淡水の生物で20メートルも難しいと思いますが、さすがに70メートルはあり得ません。
おそらく複数個体が連なっていたか、自然現象等による水面の泡立ちを誤認したものでしょう。
いずれにしてもUMAの目撃が下火になりつつある21世紀以降に逆に脚光を浴び始めた稀有なUMAです。
それではその正体について考えていきましょう。
候補に挙がっているのがダウリアチョウザメ (Huso dauricus)。
ダウリアチョウザメはアムール川流域に棲息するチョウザメで、オオチョウザメ (ベルーガ, Huso huso) と並びチョウザメの最大種のひとつ。
最大個体は体長5.6メートル、体重1トンと言われますが非公式ではもっと大きな個体も捕獲されたとか。
ダウリアチョウザメは海にも出ますが一生の多くの時間を淡水で過ごすため、鏡泊湖の怪物の正体である可能性はあるでしょう。
あとは湖で目撃されることは少ないですが、巨大魚、アムールイトウ (Hucho taimen) もその候補として挙げておきましょう。
(関連記事)
0 件のコメント:
コメントを投稿